右ヒジの違和感を訴え、二軍調整を続けていた
ヤクルトのドラフト1位・杉浦が、右ヒジじん帯断裂の重傷だったことが判明した。3月14日、群馬県・館林市の病院で検査を受けた。投球が可能になるまで、最低でも半年はかかる見込みだという。
ただでさえコマ不足のヤクルト先発投手陣。キャンプ終盤、高津投手コーチは「石川、館山、小川、ナーブソンに新人から1人と松岡」と先発ローテーション投手の構想を語っていた。
そのうち、昨季の開幕投手で右ヒジの手術から復帰を目指していた館山の状態が上がらず、開幕には間に合わない。「新人から1人」はもちろん、杉浦を指して語られた言葉だが、それも白紙となった。現状では村中と新人の秋吉を代役にすると見られている。
気になるのは杉浦が手術を受けず、リハビリで復帰を目指す点だ。「断裂」という言葉に、手術もせずに投げられる状態になるのか、知識も乏しく、得られる情報も少ない中で、ただ疑問を抱く。
右肩関節唇損傷で昨季、1試合のみの登板に終わった
日本ハム・
斎藤佑樹も同様だ。斎藤の大学の先輩にあたる評論家の
小宮山悟氏は「関節唇損傷から手術を受けずに一線に復帰した選手を私は知らない」と語っていた。
手術したとしても復活の例が少ない症例だ。最近では
広島・河内が昨季34試合に登板したのが好例に当てはまる程度。
オリックス・馬原は復活の域には辿り着いておらず、08年に手術した
斉藤和巳は昨年、復帰をあきらめ引退した。
損傷した部分は、時間が経てば修復するというものでもないらしい。斎藤の場合はおそらく、トレーニングで周辺の筋肉を強化することで損傷部分を守りながら投球する、ということなのだろうが、これだけ医学が発達した現在、なぜ手術の選択をしなかったのだろうか。
斎藤は今、140キロのストレートを取り戻し、先発候補にも名前が挙がっている。しかし、中6日のローテーションを1シーズン守り抜く中で、右肩がそれに耐えられるのか。
手術を避けたことで、あえて困難な道を選択したように映る斎藤と杉浦。今後の経過が気になる選手である。(菊池)