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開幕戦の始球式

 

 3月28日、セ・パ両リーグが同時開幕。各地で繰り広げられた熱戦を見ると、今年もやはり野球は楽しいという気持ちにさせられた。

 特に開幕は特別な試合である。最近は年明けに始動するような選手は少なく、シーズンが終わるや、次のシーズンへの準備期間としている。

 翌年に向けたトレーニングを積み、技術向上のためのスケジュールを組む。年明けの自主トレはキャンプに向けての仕上げの期間で、キャンプはポジションを勝ち取るための競争の場。

 オープン戦はポジションが定まっていない選手にとっては最後の挑戦で、レギュラー格の選手はシーズンに向けた最後の微調整の期間。

 10月いっぱいでシーズンが終わると考えると、次のシーズンの準備にかける期間は約5カ月にも及ぶのだ。

 そうして勝ち取れる開幕の場である。特に投手にとって開幕戦を任されることは名誉で、今年も12人がチームの顔となった。

 何より、まっさらなマウンドに上がることが気持ちいいらしい。今年、ヤクルト石川雅規小川泰弘に大役を譲ったが、争いの過程で「今年はホーム球場。誰も踏んでいないマウンドに立つ瞬間は、身が引き締まる思いがある。これはビジターでは味わえない、ホーム球場ならではの特別なもの」と語っていた。だからこそ不必要だと思うのが、開幕戦の始球式だ。

 それがあることによって、「まっさらなマウンド」には厳密には立つことができない。シーズンの最初のマウンドで第一球を投じるタレントや有名人の姿を、マウンドの後ろで見守る開幕投手の心境、何をかいわんや、である。(菊池)
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週刊ベースボール編集部による日替わりコラム。取材のこぼれ話も。

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