おかわり君こと
西武の
中村剛也選手が右ヒジ痛で大事をとっている間、代役として一軍初昇格を果たしたのが「おかわり2世」
山川穂高選手だ。その一軍では交流戦チーム最後のカードとなる2試合に「五番・指名打者」で出場し、2四球を含む8打席ノーヒットだったものの、ファームでは「おかわりっぷり」を発揮し、ホームランを量産中だったのだ。
ファーム月間MVPを受賞した5月は18日の
日本ハム戦(鎌ケ谷)で今シーズン2号、3号と「おかわり」すると、同25日の
楽天戦(上尾)ではリーグ2年ぶりの1試合3本塁打という「おかわり」。その間にも毎試合のようにホームランを打ち、6月に入ってもその好調をキープ。6月22日現在、15本塁打はイースタン・リーグだけでなく、ウエスタン・リーグを含めて、ファームトップの数字だ。
「おかわりっぷり」というのは、1試合で本塁打を「おかわり」するという意味で使ったが、その体型、そしてフォーム自体もまた「おかわり君」こと中村剛也そっくりだ。まあ、それもそのはずだろう。山川いわく「似ているんじゃなくて、マネてきたので」。
6月19日のイースタン・リーグの
巨人戦(ジャイアンツ球場)で、ファーム調整中の
澤村拓一から放った一発も美しかった。力みを感じさせない、流れるようなスイングで球をとらえると、打球はふわりと理想的な角度を描きながら左翼方向へ。あいにく外野スタンドはなく、フェンスを超えると、ボードにあたってポトリと草むらに落ちていったが、見る者を魅了する一発だった。潮崎二軍監督も「完璧だった」と絶賛した。
交流戦明けのペナント・レース再開は、一軍で迎えのるか、もしくはファームへ戻るのか。中村の状態や左ヒザ痛でファーム調整中の
浅村栄斗の復帰次第かもしれないが、いずれにせよ近い将来クリーンアップを任される逸材であることは間違いない。
ファームでも初出場から3試合はノーヒットと苦しんだが、慣れるにつれ打撃の状態が向上。一軍でも環境やピッチャーの投球に慣れてくれば、十分対応していきそうだ。
本家・おかわりは、高卒2年目で、ファームで22本塁打を放ち、タイトルを獲得した。さて、2世は――。(田辺)