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ライアンって……

 

それはちょっと違うんですよ、と言いたい。
 
 才能あるアマチュアプレーヤーを紹介する際、「●●二世」や「●●のダルビッシュ」とプロ野球選手(元選手を含む)を引き合いに表現されることが多い。フォームが似ているとか、タイプがそっくりだとか、情報を伝える側が読者や視聴者にまだ見たことのない有望選手のプレーを連想しやすくするため、昔から用いてきた表現方法だ。
 
 最近では高校野球シーズンになると全国各地に「ダルビッシュ」が現れるなど、安易に多用されているようにも思うが、選手のその後の飛躍を願ってのものであることだけは間違いない。
 
 今夏の甲子園に沖縄代表として出場した、沖縄尚学高の山城大智投手(3年生)もその1人。左足を極端に高く上げる豪快なフォームからついたニックネームは「琉球のライアン」である。
 
 初陣となった8月17日の作新学院高との2回戦では、9回を投げて14奪三振、1失点の好投で3回戦進出に貢献した。その日のスポーツニュースでさっそく大きく取り上げられていたのだが、とある局の紹介の仕方に驚いた。
 
 「ヤクルト小川泰弘投手を彷彿させる豪快なフォームから、琉球のライアンと呼ばれる山城投手が……」。いやいや、待ってくださいよ。
 
 確かにヤクルト・小川投手は「ライアン(小川)」と呼ばれているが、それはあの左足を高く上げる豪快なフォームが、メジャー通算324勝で野球殿堂入りも果たしているノーラン・ライアン(元レンジャーズほか)を参考にしたもので、ソックリだから。もちろん、ライアンのように一流投手に、との周囲の期待もそのニックネームには込められているように思う。
 
 それなのに、先の番組では伝説の大投手については一言も触れず。これでは「ライアン」の由来を知らない視聴者に、「琉球の〜」のネタ元は小川投手という誤解を与えてしまうのではないだろうか。
 
 昨季のセ新人王で最多勝の小川投手イコール「ライアン」は定着しているし、彼を引き合いに出したいだけだったのかもしれないが、それでもそれはちょっと違うんですよ、とだけ言っておきたい。(坂本)
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週刊ベースボール編集部による日替わりコラム。取材のこぼれ話も。

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