「変化球は必ずしも大きく変化したり、曲がったりすることが良いわけではない。そこが一番伝えたいところです」
これは
オリックス・
金子千尋の言葉。8月27日に小社から同選手が完全監修した『金子千尋の変化球バイブル』が発売になる。
その制作のために奥深い話を長時間にわたって聞かせていただいたが、あらためてこの男がなぜ毎年のように好成績を残せるのか、その一端を垣間見ることができた。
ボールの握り方、投げ方はもちろんのこと、1つひとつの変化球へのアプローチの仕方も彼ならではのこだわりやエッセンスが散りばめられていた。それこそ話は地球の重力、人間の体の構造にまで多岐に渡り、身ぶり手ぶりで解説する姿はまるで野球博士、野球科学者のようだった。
こうやって書くと何だか難しい話にも聞こえるかもしれないが、そこが言語能力にも長けた金子のすごいところ。プロでもトップレベルの難しい技術論や感覚的な部分を誰にでも分かりやすいような言葉に置き換えながら理路整然と話すことができる。
その一例が「カーブはダーツを投げるように練習してみましょう」「チェンジアップは腕を『棒』にするように」「カットボールはむしろ曲がらないぐらいでいいんです」といった具合に。
過去に同様に『変化球バイブル』を出版した
ダルビッシュ有もそうだが、この自身の『感覚』的な部分を明確な言葉で表現できる選手は、実はそんなに多くない。
NPBナンバーワン魔球マスターの神髄がつまった『金子千尋の変化球バイブル』。金子という投手がマウンドの上で何を考えながら、1球、1球のボールを投げているのかがきっと分かる一冊。ぜひ、手に取っていただければと思います。(松井)