その高さ634メートルは「世界で最も高いタワー」として認定され、昨年11月に発行された「ギネス世界記録2012」に記載されている。東京都墨田区で今年5月22日に開業予定の東京スカイツリー。東京タワーに代わる新しい電波塔となり、完成後は東京の新名所として多くの観光客が訪れることが見込まれている。
思えば本誌が創刊された1958年に建立されたのが東京タワーだった。東京六大学野スター・
長嶋茂雄が立大から
巨人へ入団し、颯爽としてプレーで話題を集めてプロ野球人気が沸騰。世の中も「岩戸景気」と呼ばれる高度経済成長期で、右肩上がりで経済は成長していった。それから約55年。野球界の景色も様変わりし、政治も停滞、経済も苦しい状況が続くなど、当時とは真逆の世界となっている。
ともすれば暗い気持ちに支配されそうだが、新年を迎えた今、東京スカイツリーのごとく、天高くそびえ立つ爽快さを忘れたくないものだ。東京スカイツリーのホームページには、デザインコンセプトも羅列されているが、その一つに「伝統と先端の新しいシンボルになります」という記述がある。まさに、本誌も同様の気持ちを心に置き、誌面づくりにまい進したいと思う。野球界の伝統を大切にしながらも、未来を見据え、球界、読者を正しい方向へ導くような役目も担えるような気概を抱きたいものだ。
選手、関係者には以下の言葉を贈りたい。「新年の抱負を持つとき、何かを切り捨てようと決心をするなら、それは真っ先に『不可能』という言葉にしよう」(『思考は現実化する』ナポレオン・
ヒル著)。事に当たる前から、それはできないとあきらめるのではなく、とにかく可能性が小さくとも追求していく。「やってやれないことはない、やらずにできるわけがない」という精神を忘れずにいれば、より良い状況へと変化していくはずだ。
年明け早々の1月5日、ポスティングシステムにより、独占交渉権を得ていたニューヨーク・
ヤンキースとの交渉が決裂し、
中島裕之のメジャー移籍が消滅した。昨年、アスレチックスとの間で契約が不成立となった
岩隈久志に続く悪夢。同システムの不備は明らかで、早急に是正することが求められる。選手のためにも、放置できない問題だ。「不可能」なんて思っている場合じゃない。(編集長・小林)