「学べば学ぶほど、自分がどれだけ無知であるかを思い知らされる。自分の無知に気づけば気づくほど、より一層学びたくなる」と言ったのは20世紀初頭、相対性理論などを発表し、その後の物理学に多大な影響を与えたアインシュタインである。
満足感にひたらずに、常に向上を求め続ける。だからこそ、歴史に残る科学者となれたのであろうが、こういった思いは一流スポーツ選手なら誰でも持っているものだろう。
現地時間4月16日、メジャー・リーグで3度目の先発に臨んだ
田中将大(ヤンキース)はカブス打線をまったく寄せ付けず。8回を1四球、バント安打2本のみに抑え、三塁を踏ませない好投を披露。2試合連続2ケタ奪三振もマークし、本拠地初勝利を飾った。
はたから見るとほぼ完ぺきなピッチングに見えるが、コメントから察するに満足している様子は見られない。「1試合1試合、課題が出る中で、その次にまたつなげてやっていこうと思っています。今日、結果的にはゼロに抑えることができましたけど、完璧ではありませんし、そこまで良かったのかというと、どうなのかなっていうのもあるんで、また気を抜かずに次に向けてやっていきたいと思います」
きっと田中はアインシュタインのように「学べば学ぶほど、自分がどれだけ無知であるかを思い知らされ」、さらに「自分の無知に気づけば気づくほど、より一層学びたくなる」のだろう。この気持ちがある限り、メジャーの世界で成功するのは間違いない。(編集長・小林)