今年は
柳田悠岐(
ソフトバンク)、
山田哲人(
ヤクルト)とトリプルスリー達成者が2人出る稀有なシーズンとなりそうだ。時代の目撃者となれる幸運を野球ファンはひしひしと感じていることだろう。
13年前、同記録を樹立したのは
西武時代の
松井稼頭央(現
楽天)だったが、彼は「僕は“スイッチだから”というのは好きじゃない」という言葉をよく口にしていた。プロ入り後、左打席に挑戦した松井。壮絶な努力が実を結び、スイッチヒッターとして球史に名を残す選手となったが、その裏には一切の甘えを排除した姿勢があった。
「左打者はこのコースを打つのが難しいと言われるのは分かるんですが、スイッチだからここは打てないと言われるのはイヤなんです」“左打者になりたい”思いを貫いた結果、ボールを呼び込み、打つポイントが多くなる打撃スタイルを構築。“点”でとらえるのではなく“線”でとらえることが可能となり、打てる確率が格段に上がった。同年、左打席では打率.342、27本塁打をマーク。一番打者として盗塁も33を数え、史上8人目のトリプルスリーを達成。松井稼頭央を見る喜びを味わった1年は決して忘れられない。