
63年の金田-王対決。王はあまり足を上げず打つ意志がないように見える。多分、スローボール
ダルビッシュ(レンジャーズ)が、オールスター(ミネアポリス)で90キロの超スローカーブを投げて話題になったが、その昔、
金田正一投手(国鉄、
巨人)が投げていたのが、ああいうカーブだった。もっと遅かったかもしれない。
もともとこの投手のカーブは大きくタテに曲がり落ちるもので、小さなカーブというのはなかった。国鉄最後のあたり(63~64年)のカネやんは、この大きくタテに曲がり落ちるカーブのスピードを極限まで遅くして、しかも、ある程度制球できるものに仕上げた。巨人の
長嶋茂雄と
王貞治に多投してファンを喜ばせていたものだ。
もっとも、金田にはファンのために、なんて余裕はなかったかもしれない。超スピードボールはまだ投げられたが、何球も続けるとヘバるようになっていた。1試合で投げられる快速球の球数が限定されるようになると、それらの1球1球を有効に使わなくてはならない。その有効性を高めるために編み出されたのが超スローカーブだった(あのころは超スローボールと言ったかもしれない。曲がるというよりは、打者の頭の上からゆっくり落ちてくる感じのボールだったから)。ストレートとの間に大きな時間差を作ることで打者のタイミングを狂わすことができる。
これを投げられるたびにONは苦笑いしたものだったが・・・
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