
守りだけでなく、チャンスに強いバッティングも光るクルーズ。昨年の16本塁打、73打点は巨人のどの打者よりも多い
先週号で、今年の高橋巨人は、75年の長嶋巨人より投手力ではるかに上と書いたが、守備力でも上(広く言えば、投手力も守備力だが)と書くのを忘れた。それは、
ロッテを自由契約になっていたクルーズ内野手(31歳)を獲得したことで、内野全体がいっぺんに引き締まったからだ。
クルーズが、内野ならどこでも守れるということもあるが、それ以上に、「二塁手がしっかりしてこその巨人」という伝統が復活したことが大きい。巨人の初代二塁手はあの
三原脩。この三原から二塁守備とは何か、を伝授されたのが“猛牛”
千葉茂。千葉は戦前から戦後の第2期黄金時代にかけて巨人の司令塔となった。
しかし、千葉が56年限りで引退すると、二塁手は人材難となり、ペナントレースでは勝っても日本シリーズには勝てないという時代に。
二塁に人を得るのは、65年の
土井正三の入団まで待たなければならなかった。
川上哲治監督率る巨人は、この年から前人未到のV9。
この土井が衰えた70年代後半から、また巨人は二塁手難。しかし、76年入団の
篠塚利夫(のち和典)が初めて規定打席に到達した81年(篠塚は打率.357で2位!)からは、また安定した戦いになり、この年8年ぶりの日本一。以後、篠塚が引退する93年までに優勝5回、日本一2回。この間、監督はのべ4人。しかし、二塁篠塚は、ほぼ不動だった。
このあと、巨人はまた二塁手不在となる・・・
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