
私は最後、西武でプレー。45歳で引退したが後悔はなかった/写真=BBM
しがみつける間は野球にしがみつく
来る人がいれば、去る人もいる。
この時期は、そんなことをあらためて感じさせられる。本誌12月4日号でも、「野球人のターニングポイント」なる特集を組んでいた。
私がプロ野球選手という道を選んだのは、ひとえに貧乏から脱出するためだった。中学、高校と「何になったら金持ちになれるか」をひたすら考え、最終的に野球選手へとたどり着いたのだ。
やがて年齢を重ね、野球を通して感じたのは、“人間は下から衰える”ことだった。下、すなわち足腰は、ボールを飛ばすにも投げるにも必要な基礎である。読者の皆さんには、“家”を思い浮かべてもらえればいいと思う。土台が崩れたら、すべてが次々崩れていく。
だから晩年は、「なんとか下半身を強くする方法はないかな」と、そればかり考えていた。ところがどんなに一生懸命、下半身を鍛錬していっても、一定の年齢を過ぎると“強化”はもはや無理だった。人間、残念ながら年には勝てないということだ。誰が言ったか、「人間には勝てないものが2つある。それは時代と年齢だ」と。言い得て妙である。
そうして勝てないものが出てきたころから、「野村-野球=」とはなんだろうと常に考えるようになった。答えは・・・
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