チャンスで打順が回る背番号5に、格別の期待が注がれる。チームが2年連続Bクラスとなる5位に沈む中、終盤まで抜群の集中力で安打を重ね、出塁を続けた。目標の打率3割、そして個人タイトル獲得を達成。“失敗”に学び成長を重ねる25歳は、進化を止めず突き進む。 取材・構成=相原礼以奈 写真=井沢雄一郎、桜井ひとし、井田新輔 キャリアハイのシーズン
昨季は主に三塁を守り、自身初の全143試合出場。シーズン後に招集されたプレミア12では二塁手として活躍して準優勝に貢献、ベストナインにも選ばれた。着実に実績を重ねる小園だが、新井貴浩監督の下で競争が促された今季、開幕前から見せていたのは「レギュラーというのはない。つかみ取れるように」と挑む姿勢。初のタイトル、2冠獲得の陰には、積み重ねに学び、野球への考えを深める7年目戦士の貪欲さがあった。 ――2冠獲得、おめでとうございます。個人タイトルは一貫して「狙っていくことはしない」という話をされていましたが、どう受け止めていますか。
小園 これはもう、個人的な問題なので、獲れたことはうれしいです。そう簡単に獲れるものじゃないですし、自分のタイプ的なものを考えると、あまりそういうものとは縁がないのかなと思っていたので……。打って、今季はフォアボールも少しは取れましたけど、数的には少ないほう。それでも、低い率の中で二つも獲れたのは大きかったと思います。
――初めての打率3割の大台です。
小園 3割は絶対打ちたいと思っていたので。それで首位打者が獲れるかは分からないですが、1回でも打ちたいと思っていました。「こうやればいいのかな」という引き出しもいろいろ増えてきましたし、その中でプレーできたので、結果につながったと思います。
――昨季から今季というところでは、昨年11月のプレミア12での大会通算で打率.387、12安打、2本塁打の活躍も。
小園 いろいろなことを試しながらの大会でした。いろいろな引き出しは持ちつつ、新しく出てくることもしっかり考えながら。それで少し結果を残したので、「こうしたらシーズンでもいけるんじゃないか」という感覚もあり、シーズンにつながる大会になったと思います。例えば、バッティングのときの体の使い方ですね。昨年のシーズンとプレミアのときとは違うので、そこでうまくいったというか、一つレベルアップできたんじゃないかというのはありますね。
――今季の取り組みの中で、昨年と比べて変わった部分もありましたか。
小園 逆方向に、多く打つことができるようになったことですね。ホームランや長打をいっぱい打てるわけじゃないので、やっぱり逆方向に打てたほうが、幅が広がる。そこを今季はよく打てて、打率も残すことができました。
――出塁率も、キャリアハイを更新しての最高出塁率です。
小園 僕は振っていくタイプですが、そう簡単に甘いボールがたくさん来るわけではない。どれだけ落ち着いて、誘われずにバッティングできるかが勝負かと。それがすべてではないですが、そういうことも考えながら、いろいろ取り組んだ中での出塁かなと思います。まあ、ほぼ打っての出塁ですけど。
――安打や四球も自己最多ですが、打席での意識に変化があったのでしょうか。
小園 そうですね、昨季もそんなに悪くはなかったですけど。またレベルを一つ上げるためにというのは自分でもありますし、まだまだ足りないところもある。もっと上げられる、もっと打てると思うので、そこでどれだけ、メンタルも含めて調子の波を少なくできるかが、本当に勝負だと思っています。
――調子の波と言えば、今季は5月が打率.185と振るわず。
小園 本当に全然ダメでした。逆に、今年はそこでいろんなことを考えてできて、6月、5月の後半ぐらいから、どんどん良くなってきて、最後まで駆け抜けることができました。でも、「それがあったから」というのは、いいことですけど良くない。(不調の時期は)ないほうがいい。でも、1年間安定して結果を出すことはなかなかないし・・・
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