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2025タイトルホルダーインタビュー

巨人・大勢インタビュー 負のエネルギーを力に変え「『9回に投げたい』という思いを持ち続けることも大事だけど、ジャイアンツの勝利が一番」

 

球団史上屈指のクローザーと言える存在になったものの、今季は9回のマウンドを新たな守護神に譲り、「8回の男」としてチームの勝利のために腕を振り続けた。訪れた環境の変化と試練に立ち向かいながら、シーズンを完走してタイトルを手にした意味は大きい。
取材・構成=杉浦多夢 写真=川口洋邦、桜井ひとし、BBM


蓄積された経験


 昨年のオフ、球界最強クローザーであるR.マルティネスの加入は、チームにとっても大勢にとっても大きな変化をもたらすことになった。阿部慎之助監督から「ホールド(ポイント)のタイトルを獲ってくれ」という言葉とともに託された8回のマウンド。晴れない思いを押し殺し、チームの勝利だけを考えて、指揮官との“約束”を守ってみせた。

――自身初のタイトル獲得というシーズンになりました。

大勢 うれしいという感情は思ったよりもないですね。自分の調子もあまり良くなかったですし、守備の方たちに助けてもらいながらアウトを取って、タイトルを獲らせてもらったというか。自分ひとりで達成したものではないですし、野手の方たちに感謝したいという気持ちのほうが大きいです。

――シーズンを通して調子が良くないという感覚だったのでしょうか。

大勢 打者を圧倒したピッチングとか魅せる投球、魅力のある投球が少なかったかなと。僕の名前がコールされたときにジャイアンツファンの皆さんが大きな拍手や声援をくれるんですけど、「それに応えられていないな」という気持ちがあったので、正直ちょっとしんどいシーズンだったなというのがあります。

――それでも阿部慎之助監督から中継ぎというポジションを託された中、結果で応えてみせました。

大勢 クローザーをやっていたので、中継ぎと言われた当初は「9回を投げたいな」という複雑な気持ちがありましたし、「中継ぎのタイトルを獲ろう」という気持ちにはなれなかったです。確かにライデル(マルティネス)と比べると積み重ねてきたもの、残してきた結果が、やっぱり僕のほうが劣っていた。「そりゃ、そうかな」とは思いながらも、なかなか晴れた気持ちにはなりませんでした。

――気持ちの切り替えができたのはいつごろだったのでしょうか。

大勢 シーズンに入れば「勝ちたい」という気持ちのほうが強くなりますし、チームが同じ方向を向いていないといけない。「9回に投げたい」という思いを持ち続けることも大事ですけど、その半面、僕もジャイアンツの選手ですしジャイアンツの勝利が一番です。もちろんクローザーにしかできない仕事はありますけど、8回は同点の場面で行くこともありますし、クローザーとは違った場面もたくさん経験することができた。シーズンを過ごしていく中で、「チームが勝てばいい」という気持ちは大きくなっていきました。

――その結果、最多セーブのマルティネス選手とダブルタイトルになりましたし、「大勢がセーブシチュエーションでつないでくれたからタイトルが獲れた」という言葉もありました。

大勢 誰もが「ライデルにつなげば大丈夫だ」という気持ちでやっていましたし、昨年までは僕もそれをやってもらっていたので。立場が変わっても、僕もそういう思いで投げていましたね。だからライデルからそういうことを言ってもらえたのは、素直にうれしいです。

――もちろん中継ぎの難しさもあったと思います。新たなルーティンをどうつくっていったのでしょうか。

大勢 極力、ブルペンでは投げ過ぎないようにしていました。肩をつくる回数はどうしても中継ぎのほうが増えるので。そういう面では、クローザーのほうが準備の仕方はシンプルだなっていうのは感じましたね。初めてのことだったので何が正解なのか・・・

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