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惜別球人2025

森唯斗(元DeNAほか)引退惜別インタビュー 全力真っ向勝負の12年「僕から野球を取ったら何も残らないと思うので、野球で恩返しをしていきたい」

 

ソフトバンク時代の2018年には最多セーブのほか日本シリーズ胴上げ投手も2度、経験するなど黄金期の守護神として活躍した。常に全力投球で、真っ向勝負を貫いた12年を振り返る。
取材・文=早川大介 写真=高原由佳、BBM

森唯斗[元DeNA/投手]


気持ちだけは負けない


 高校卒業からクラブチームを経て、2014年ドラフト2位でソフトバンクに入団。チームはまさに黄金期を迎えようとしていたなかで、「誰にも負けない」という気概でブルペンの柱へと成長していった。

――まずは現役生活お疲れ様でした。引退からしばらく経ちましたが、いかがですか。

 そうですね。今までずっと野球が好きで続けてきましたが、野球から離れて家族との時間が増えたのは、やっぱり一番大きいですね。

――現役のときとは、朝起きたときの気持ちは全然違うのでしょうか。

 現役のときはシーズンオフでも多少は野球のことを考えるんですけど、今はもうまったく考えなくていいので、そこは違いますね。まあ、起きる時間は一緒ですけど。

――野球のことを考えなくていいというのは、楽なのか、寂しいのか、どういう感情ですか。

 今のところ寂しいっていうのはあまりないですね。うん、楽です。球場に行ってケアを受けて準備をして……ということを考えなくていいので。まだ引退してからそこまで時間は経っていませんが、今の生活を楽しんでいます。

――引退してからはどんなことをされましたか。

 一応、合間を見てジムには行ってます。今の体はキープしたいので。あとは家族の送迎をしたり、最近は時間もあるので料理をしてみようかなと。妻が少しでも楽になればと思って。今まで散々やってきてもらってますからね。昨日は野菜炒めとチャーハンを作りました。

――そうなんですね! 現役時代は料理をするタイミングもなかったですよね。

 はい。やる時間もなかったですし、そういうことを考えたこともあまりなかったです。でも今は結構楽しんで続けられています。

――ジムに通って体をキープしたいというのは、何か目的があるのでしょうか。

 体はお金で買えないので、40歳、50歳になったときにいい体でいたいという思いがあります。キープできるならしていきたい。ウエート・トレーニングにもハマっているので楽しいんです。

――それではあらためて12年間の現役生活を振り返っていただければと思います。森さんといえば二度の日本シリーズ胴上げ投手、史上最年少での100セーブ&100ホールド達成と輝かしい戦績を残されましたが、プロ入り時点で、そういう成績を残せる投手になれると思っていましたか。

 正直、ここまでできるとは思っていませんでした。プロに入って1年目のオープン戦で少しずつ抑えられるようになって、「このまま行けば開幕一軍もあり得る」と周囲に言われるようになって。そのときに初めてプロでやっていけるかもと思いましたが、ここまでの成績を残せるなんて思っていなかった。本当に周りの人たちのおかげです。

――現役生活の多くをリリーフとして活躍されましたが、その要因はどこにありますか。

 突っ走れたというのもありますし、先輩、後輩、誰にも絶対に負けないつもりでやっていたので、それが一番大きいかなと思います。

――技術ではなく気持ち。

 そうですね。技術だけじゃないと思います。技術面でいえば、自分より球が速くてコントロールのいい投手なんていっぱいいる。でも活躍できていない理由は、多少なりともメンタルの部分にある。僕の場合は7割はメンタルだと思っています。リリーフはピンチや絶対に抑えなければいけない場面でマウンドに上がることが多い。打者に対しても、同僚に対しても、絶対負けたくないという気持ちでマウンドに行っていました。

――ソフトバンク時代にともにブルペンを支えたD.サファテ投手の存在は大きいと話されていました。

 サファテの存在は本当に大きいです。最初は「絶対にサファテにつなぐんだ」と思っていましたし、サファテに負けたくない、いつか抜きたいという気持ちもありました。でも一緒に過ごす時間が多くて、サファテの野球観が自分の中に入ってきて。いい友達……友達って言ったらあれですけど、ライバルとして。向こうがどう思っていたかは分かりませんが、こっちはずっとライバルだと思ってました。

――サファテ投手の野球観で影響を受けた部分は?

 プロ入りして初めて会った外国人選手だったんですが・・・

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惜しまれながらユニフォームを脱いだ選手へのインタビュー。入団から引退までの軌跡をたどる。

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