3季連続出場となった今夏の甲子園で4強進出。二塁送球1.78秒の強肩と好リードだけでなく、バットでも四番として16打数10安打と躍進の原動力となった。華やかな道を歩んできたように映るが、プロへの扉をこじ開けるまでには、多くのカベに直面していた。 取材・文=寺下友徳 10月25日に学校で東京ヤクルトから指名あいさつを受け、プロを実感した。左から岡林スカウト、古賀、鳥原チーフスカウト/写真=寺下友徳
2季連続甲子園初戦敗退からの逆襲
3月21日、甲子園には困惑の表情で、本塁ベース後方に立つ
古賀優大の姿があった。「事前のデータどおりに要求した」にもかかわらず、龍谷大平安高(京都)との1回戦でまったく通用しないリード。本塁打2本を含む15安打を浴び、1対7で完敗した。明徳義塾高史上初となる2季連続甲子園初戦敗退。古賀は背筋190キロと恵まれたフィジカルで、二塁送球はアベレージで1.9秒台。センバツ前から「注目捕手」として評判が高かったが、その自信は音を立てて崩れ落ちた。
甲子園から帰った後、四国大会へ向けた順位決定戦でも県内のライバル・高知高に3対4の逆転負け。四国大会準決勝も川之江高(愛媛)に3対8と大敗し、長いトンネルの出口はなかなか見えなかった。
ただ、これらの屈辱は、古賀を成長させるための最高の肥しにもなった。
「ビッグイニングを作らせないためには、どうしたらいいんだろう」
バッテリー間や、ブルペン担当・山本龍希捕手とコミュニケーションを密に取った。
「データを頭に入れた上で、1打席目で相手打者の調子を見極め、その結果や試合状況を踏まえて、2打席目以降は配球を変化させる」と、リードの変革を図った・・・
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