父・田中充さんはロッテ、ヤクルトでプレー。縁のある球団でプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせることになった。3拍子でバランスが良く、一流選手を目指し日々、鍛錬していく。 取材・文・写真=中島大輔 
4位という高い評価に、ドラフト当日は驚いたような表情を見せた[写真=中島大輔]
明暗が分かれた「10.24」
健大高崎高の食堂でドラフト会議の吉報を待つ野球部員たちの大歓声が響いたのは、10月24日、指名が4巡目に入って少ししたころだった。
ヤクルトから「田中陽翔」の名前が呼ばれると、入り口のそばに用意された席で運命を見守っていた田中本人は驚いたような表情を浮かべると、すぐに破顔一笑した。
「6位とか、めちゃめちゃギリギリのところで指名されると思っていたので、自分の思っていたより上でホッとしました。自分が指名された瞬間、みんながあんなに喜んでくれたのはめちゃくちゃうれしかったです。みんなのためにも頑張りたいなと思います」
すぐ近くの会見場に場を移してそう語った田中は、あえて感情を出さないように淡々と語った。おそらく一緒にプロ志望届を提出した箱山遥人が、まさかの指名漏れに終わったからだろう。「高校生ナンバーワン捕手」と評価された箱山が指名されなかったのに対し、大学進学から進路を変更した田中が名前を呼ばれた。
運命の日──。
ドラフト会議はよくそう形容されるが、今年の健大高崎高はまさに明暗分かれた。
ケガの功名
高校生を4位という高評価でヤクルトが指名した一方・・・
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