今夏の沖縄大会で旋風を巻き起こした。創部3年目のエナジックスポーツ高が準優勝。攻守でけん引した中心選手がプロの門をたたいた。多くの関係者のためにも、全力プレーを続けていく。 取材・文・写真=仲本兼進 
1期生の龍山を中心に、創部3年目で今春の県大会を制すと、夏の沖縄大会は準優勝。あと一歩で甲子園には届かなったが、発足したばかりのチームで足跡を残した[写真=仲本兼進]
ドラフトで見せた素顔
10月24日のドラフト会議当日、名護市瀬嵩(せだけ)にあるエナジックスポーツ高に詰めかけた報道陣は約20人。沖縄の地で育んだ「扇の要」がプロの世界へ羽ばたく瞬間を見届けようという期待の表れだった。その光景を目の当たりにし、いつもは目力の強さが印象的な龍山暖もさすがに視線が定まらず。緊張した様子でプロジェクターに映し出された会議の映像を見つめていた。
フタを開けてみると、5位まで進んだところで高校生捕手の指名はゼロ。時を同じくして、秋季九州大会出場のため大分で中継を見ていた神谷嘉宗監督は「周りの期待であったり、マスコミもいっぱい来ていると聞いている。もしものことがあったら、と……。それだけが、心配だった」と、複雑な親心を抱きながら切実に吉報を待っていたという。
強張る表情を崩さずも内心「このまま呼ばれないんじゃないか」と感情を揺さぶられた龍山。しかし6位で
西武が指名した直後、ようやく安堵の表情。夢を叶えたという思いとともに「(指名で)呼ばれたとき、自分以上に周りがすごく喜んでくれて・・・
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