佐藤拓也は最高のリードオフマンである。1年春から出場機会に恵まれ、東京六大学の現役最多安打を記録。目標として通算100安打も視野に入れている。国際舞台でも経験豊富で、小柄ながらも貴重な戦力となりそうである。 浦和学院高時代にはエースとして甲子園で活躍しながら、打撃面でも目立つ選手だった。立大に進学後は打者に専念し、1年時から東京六大学野球の舞台、神宮で数多くの経験を積んできた。大きな故障もなく順調に成長しており、プロのスカウト陣の評価は上がっているのではないか。小柄な体でもパンチ力を兼ね備えている。「左打ちの外野手」は各球団、多くの選手を抱えているが、即戦力として今後もチェックを続けていくチームはあるだろう。
打撃フォーム(8.0)はトップを作って、レベルスイングができる。上半身、下半身を揺らしながらタイミングをはかるが、差し込まれる場面も見られるので、同じ間合いで投手に向かっていくことが必要だ。内角には、腰の回転で対応できている。また、広角に打ち分けることができるので、ヒットゾーンを広く持っている。課題を挙げれば、もう少し軸足である左足の力をうまく使えるようになるといい。左ヒザの使い方がまだ弱い。インパクト時に下半身のパワーをぶつけるイメージで練習してもらいたい。選球眼(8.0)はまずまず。今はチームでは一番を打つことが多いが、どちらかと言えば、振りながらタイミングを合わせていくタイプ。ただし、チャンスでは初球から難しい球に手を出すことが見られるので、ゾーンを絞って待つことも覚えてほしい。
前後左右の打球に対しての反応は良く、外野守備(9.0)は高いレベル。各塁への送球も安定し、野手が捕りやすいバウンドでコントロールできている。守りはプロでも十分通用する。
走塁(8.5)の意識も高い。常に次の塁を狙う姿勢が見えるので、今後も継続してやってほしい。リーグ戦では警戒される中で盗塁を決められるように勇気を持ってスタートを切ってもらいたい。
3拍子のバランス(8.5)は現時点では及第点。小柄でもツボにはまればオーバーフェンスできる力があるし、チームとしてはどこでも使いやすい選手と言える。判断力(8.5)は的確。大舞台の経験が生きているので、際どいタイミングでも先の塁を奪うことができている。今後は状況に応じたバッティング技術を高めてもらいたい。
高校、大学でも下級生から試合に出て経験豊富なことから、メンタル(8.0)は安定している。勝負強さがあり、チャンスでも自分のスイングができているので、さらに伸ばしてもらいたい。体力(7.5)は物足りない。繰り返すが打撃では下半身の力をバットに伝えられるように、強化を図ってほしい。同時に柔軟性も高めることが重要だ。
総合力(8.5)は高い。攻守走ともに大学生としては十分で、ユーティリティープレーヤーとしての魅力もある。最上級生になった今年は、もっと欲を出すというか、ギラギラしたものを見せてほしいと思う。将来性(8.5)では
オリックス・
西野真弘タイプ。野手の間を抜く低い打球を意識して、二塁打、三塁打が増えてくるのが望ましい。秋まで安定した結果を残せれば評価はまだ上がるだろう。
■採点表 打撃フォーム 8.0 選球眼 8.0 守備力 9.0 走塁 8.5 3拍子のバランス 8.5 判断力 8.5 メンタル 8.0 体力 7.5 将来性 8.5 総合力 8.5 合計 83.0 ※採点の基準は2016年のドラフト対象選手
PROFILE さとう・たくや●1994年8月12日生まれ。茨城県出身。172cm 75kg。右投左打。鹿島小1年時から鹿島リトルで投手として野球を始め、6年時に東日本大会3位。鹿島中では2度の関東大会8強。浦和学院高では1年秋からエースで、2年春、3年春夏の甲子園に出場。高校日本代表として18Uワールドカップ出場。立大では1年春から外野手のレギュラー。2年春にベストナインを受賞すると、侍ジャパン大学代表に初選出。3年時も同代表に入り、ユニバーシアードで金メダルを獲得。東京六大学リーグ通算77試合、打率.292、6本塁打、41打点(4月26日現在)。