プロ野球は投手分業制の時代。この4年間、専門職として経験を積んできた152キロ右腕は、まさしく「救援の即戦力」としての期待が高まる。もちろん、先発完投能力もある。ピンチでも動じない精神力、そして卓越した投球技術。2年時には大学日本代表のキャリアもあり、今秋は有終の美を飾ろうと意気込んでいる。 取材・文=岡本朋祐、写真=筒井剛史 
負けん気の強い風貌から、ストッパーとしての適性を感じる。どんな場面でも物怖じしない精神力が武器だ
今でも財産としてある大瀬良大地の立ち居振る舞い
元侍ジャパンとしては、ユニバーシアード(韓国・光州)の戦いを複雑な心境で見ていた。決勝が雨天中止のため、台湾と同時優勝も堂々の金メダル。かつての仲間たちが躍動する姿は喜ばしい一方で、勝負師としては譲れない部分もあった。2年時の日米大学選手権(日本開催)で、初めて日の丸のユニフォームに袖を通したことは今も財産だという。
「同じ九州で2学年上の大瀬良さん(=大地、九州共立大-現
広島)の背中を見ていました。投手リーダーとして、野球に取り組む姿勢はもちろん、普段の生活から試合を意識した行動。どこに行っても自分のスタイルを曲げない。だからこそ、プロ1年目から結果(10勝、新人王)を残せたと思う」
田中豊樹が“全国区”となったのは、この大学2年時だ。日本文理大は大学選手権に出場。東北福祉大に初戦敗退(2回戦)も、4回から2イニングを無安打。最速146キロの力強いボールで“東北の雄”から打者7人で3奪三振。大会後の大学日本代表合宿に初招集され、自己最速の152キロをマークした。侍ジャパンの貴重なブルペン要員として2試合に登板し、優勝に貢献し、早くも「2年後のドラフト候補」に名乗りを上げている。
甲子園出場が果たせずプロ志望届も提出見送り
180センチ90キロの立派な体格は、幼少期からの生活環境が少なからず影響している・・・
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