昨秋は関西学生リーグで6勝(3連続完封)を挙げながら、終盤の失速で優勝を逃した。苦い経験となった一方で、エースの自覚がより深まったのも事実。性格は近大の先輩・糸井(オリックス)に似ているということからも、強心臓が武器になるはずだ。 取材・文=沢井史、写真=前島進 
3月8日、阪神二軍とのプロアマ交流戦では5回無失点と手応えを得た。万全のコンディションで開幕を待つ
高校時代は無名の存在も大学進学後に能力開花
「どちらかと言うと、少し
糸井嘉男(現オリックス)に似ているところがあるんですよ……」
こう話すのが、近大での現役時代、糸井の1学年先輩だった松丸文政コーチだ。糸井と言えば規格外の身体能力の高さを誇る日本球界を代表する外野手だが、大学時代は投手。
畠世周の186センチという体格から見ても、もしかしたら……という大きな可能性を匂わせるが、これは天真爛漫な性格が、という話。だが、素材を見ても、まだまだノビシロを感じさせる。昨秋のリーグ戦では3連続完封勝利を含む6勝をマークし、最速150キロをたたき出した右腕が、名門のエースの系譜を引き継ぐ。
近大福山高時代は2年秋に背番号10を着けて初めてベンチ入り。エース番号を背負ったのは3年夏だった。「球威は周りよりあったし、地肩も強いほうだった」と本人。飛び抜けた成績を残していたわけではなく、いわゆる“無名の投手”だった。ところが、その素質は付属である近大に進学後、徐々に開花していく。
文字を書くのと同じ感覚で投球でも力加減が必要
リーグ戦デビューは2年春。立命大戦に登板し、6回を無失点。「初めてのマウンドで緊張したんですけれど“なるようになれ”と思って腕をしっかり振れ・・・
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