社会人野球の祭典・都市対抗野球はトーナメント。つまり、負ければ終わりの一発勝負だ。スリリングな展開が続く中で、名門・パナソニックの守護神を任されている男のメンタルの強さは半端ではない。入社2年目、初めて「運命の日」を待つ。 取材・文=大平明、写真=川口洋邦 パワーピッチングを買われ入社1年目から不動の救援
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プロも「投手分業制」の時代であり、「守護神の補強」を考えている球団としては最適と言える/写真=BBM
「勝っていれば、この試合が今季のベストピッチでした。でも、負けてしまったので、そうは言えません」 パナソニックの
北出浩喜は、惜しくも初戦敗退(対きらやか銀行)を喫した今夏の第87回都市対抗野球大会を、そう振り返った。
変化球はスライダー、カーブと今季から投げ始めたフォーク。しかし、投球のほとんどを占めるのは最速150キロを超えるストレート。
「自分は真っすぐが持ち味。コントロールをつける練習はもちろんやっていますが、細かい制球にこだわってストレートの良さを殺さないように、内角に投げるのだったら高低はかまわず、とにかく内角へ。低めに投げるのだったら内外角は気にせず低めを狙って投げています」 その力強いストレートを買われて、社会人1年目からチームでは救援を任せられている北出。昨年のJABA京都大会では3試合に登板し、4回無失点の好投で敢闘賞を受賞。昨夏の都市対抗は日本新薬の補強選手として出場し、こちらも3試合で5回無失点と結果を残していた。しかし、昨秋の日本選手権の1回戦(対ホンダ)では、同点の8回からマウンドに上がると先頭打者に四球。ヒットで一、三塁とされると、次打者にはスクイズを決められ、チームはそのまま敗れた・・・
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