福岡六大学リーグで「春6連覇」を狙っているのが九産大だ。福岡教育大との開幕カードで連勝発進した。昨年の全日本大学選手権4強チームが見据えるは日本一。全国屈指の「投手力」で強力スタッフを束ねる“主将”の意気込みは相当だ。 取材・文=岡本朋祐 
ブルペンからキレのあるボールを低めに集める。研ぎ澄まされた練習での集中力が試合でも生きてくるのである
ブルペンでの球筋の良さに、惚れ惚れしてしまう。糸を引くような真っすぐがミットに吸い込まれる。最速は3年夏に計測した148キロだが、アベレージは140キロ中盤。1球1球に意図を持って試合に生かす。
浦本千広はクレバーな投手だ。
「打てそうだけど、打てない、というのが理想です。圧倒的な力でねじ伏せるのではなく、打者に的を絞らせない。コントロールには絶対の自信があります」
変化球はカーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ、フォークと多彩で、どの球種でもカウント球、ウイニングショットとして使える。好きな投手、そして、追い求める選手像として、かつて
ソフトバンク、
オリックスの守護神として活躍した
馬原孝浩の名前を挙げる。
出水南中時代、県大会を視察していた必由館高・西田尚己監督は、浦本のマウンドさばきに「馬原とかぶる」と、高い将来性を感じたという。しなやかなフォーム、回転の良いストレート、さらには真面目に取り組む姿勢まで酷似だった。とはいえ、当時の浦本は2番手投手。本職は遊撃手で、華麗なフットワークでフィールディングも抜群。投げる以外の“周辺部分”は、野手で磨かれたと言っていい。
投手として評価され入学した必由館高では当初、抜群のセンスを生かした三塁手としてプレー。だが・・・
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