一歩、一歩、階段を駆け上がっている。最速は季節ごとに5キロアップと進化を続け、エースとしての自覚が十分。昨秋は県大会4強、そして今春は準優勝。最後の夏は、悲願の甲子園初出場しかない。 写真=上野弘明 
5月の招待試合でセンバツ4強の明石商高を9回無失点に抑え、自信をつけた
スリークオーターから投げ込む最速144キロのストレートと、鋭く曲がるスライダー。ゆったりしたフォームで右打者のインコースを突くクロスファイアは、打者の胸元をえぐり、バットを出させない。春夏を通じて、甲子園出場経験がない私学の宮崎第一高。その中で、ひときわ輝きを放つのが
川島隆志である。「県No.1投手」の呼び声が高い左腕。目標は
巨人・
菅野智之投手のようなチームを勝利に導く「絶対的なエース」だ。
一躍、脚光を浴びたのは、今年5月に宮崎市で行われたMRT招待高校野球大会。全国トップレベルの学校に宮崎県内の高校が挑む、いわば腕試しだ。宮崎第一高は、今春のセンバツで4強進出の明石商高(兵庫)と対戦。県外強豪校と練習試合で対戦経験はあるものの、大舞台での真剣勝負は初めてで、「相手は全国トップクラス。最初から全力でした」。
言葉どおり、初回からトップギアだった。140キロを超える直球を内、外角いっぱいに決め、9奪三振。センバツ準々決勝で先頭弾とサヨナラ弾を放った好打者・
来田涼斗(2年)をレフト前ヒット1本に抑えた。6回以降は相手打線に1安打も許さず、散発5安打の無失点。「腕をしっかり振ることだけを意識した。強豪を抑えられたことは大きな自信になります」。味方打線も相手投手を攻略できず、9回0対0の引き分けに終わったが、阿久根伸二監督も・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン