初優勝を遂げた今夏の都市対抗では3試合で16回を投げて14三振を奪い、防御率1.69。チームのエースとして躍動し、大会の優秀選手を受賞した。大卒2年目。プロ解禁年に大きなアピールとなった。 取材・文=大平明 写真=桜井ひとし 
一級品のシンカーにスライダーが加わり投球の幅が広がった。球種はカーブのほかにカットボールを投げることもある
今夏の都市対抗で初優勝を果たしたJFE東日本で、エースとして活躍している
本田健一郎。飛躍のきっかけとなったのは、武蔵大2年時にそれまでのサイドスローからスリークオーターへ転向したことだ。「高1の冬からサイドで投げていたのですが、当時のチーム事情で先発をすることになったんです。それで、横からの真っすぐとスライダーだけでは『長いイニングを投げるうえで左打者に対して厳しくなる』と思い、自分で判断して変えました」。それから独学でフォームを作り上げていったというが、大きな影響を受けたのは翌年、現在所属するJFE東日本の練習に参加したときだ。
「それまでは目線とかグラブの位置とか体が開かないようにとかやってはいけないことにばかり注意が向いていたのですが、コーチに『体が開いてもいい』と言われて、自分の中の常識が取り払われたんです。それからさまざまなことを試して、良いと思ったことを取り入れたら、投球内容も良くなっていきました」
効果は球速にも直結し、大台の150キロを突破。また、ボールの質にもこだわりを見せ「ギリギリまで脱力して投げることで、キレを良くしています」と話す。もう一つ、空振りが取れる決め球のシンカーも・・・
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