チーム最優先。主将兼捕手として、自身のことよりも、周囲の動きを察知してから動く。好捕手としての適性を持ったチームリーダーが思い描く理想の司令塔とは「勝てるキャッチャー」に行き着く。 取材・文=沢井史、写真=早浪章弘 
智弁学園高では3年春のセンバツ制覇。当時のエース・村上頌樹[東洋大]とのバッテリーは相性抜群だった
マスク越しに見せる、キリリとした勝負師の目。4年前のセンバツで智弁学園高の正捕手として初優勝に貢献した当時と変わらない。バッテリーを組んだ村上頌樹(現東洋大)は昨年、侍ジャパン大学代表でプレーするなど世代を代表する投手として注目を浴びている。かつてのチームメートの活躍を刺激に、
岡澤智基も関西の大学球界を代表する捕手に成長した。
実は高校入学時は投手志望だった。入学直後の4月中旬、練習試合で早くもマウンドに立つ機会を得るが、打ち込まれた。智弁学園高・小坂将商監督からキャッチャーミットを渡され、こう告げられた。
「破門や」。突き放したのでない。岡澤の素材を認めるからこその“愛情”だった。入学してわずか数週間で投手としての限界を知らされたことは、さすがにショックが大きかった。だが、岡澤自身はこの結果を冷静に受け止めていたという。
「同級生に村上もいたし、自分は通用しないと、何となく分かっていました。でも、あのとき(小坂)監督から捕手転向を言われなかったら・・・
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