2014年夏の甲子園。富山商高の146キロ左腕は一躍、ドラフト上位候補に名乗りを上げた。大学では故障と向き合うも、社会人で脚光を浴びる舞台に戻ってきた。 取材・文=岡本朋祐、写真=Honda鈴鹿野球部提供 
社会人での専門的なトレーニングと栄養管理により、昨年5月のJABAベースルース杯では自己最速を3キロ更新する151キロと成長の跡を残している
当たり前。
森田駿哉は新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言の解除を受け、この日常を心に秘めている。
「これまで当たり前にできていたことが、当たり前ではなくなりました。だからこそ今、当たり前にできることを感謝して、大事にしています。一日一日を、高い意識を持って、大切に過ごしています」
4月の1カ月は1日勤務。エンジン課の一員として、社業に専念した。
「自分たちは、会社からこれだけ応援されているんだな、と。野球部は恵まれた環境にいるのだと再認識しました」
5月に入ると、鈴鹿製作所内の施設の奉仕活動に入った。清掃、草抜き、野球部員が生活する寮内などの環境整備に時間を費やし、こうした仕事の合間に、可能な限りで体を動かしてきたという。
「この2カ月の自粛期間、自分自身を見つめ直す、良い機会となりました」
高校、大学時代を通じてセットポジションだったが、社会人ではノーワインドアップに挑戦。この2カ月、もう一度、フォームをチェックしてセットに戻した。ムダなくボールに力を伝えることができ、キャッチボールから傾斜のあるブルペン投球を経て、実戦に入っていく構えだ。
6月1日から全体練習が再開し・・・
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