186センチの大型サウスポー。高い角度からキレのあるボールを投げ込み、2年時からNPBスカウトの視線を集めていた。エースとなった昨秋は屈辱を味わった。悔しさを糧に、充実の冬を過ごしている。 取材・文=沢井史 写真=石井愛子 
投球フォームの安定と体力アップに努めている。夏をピークに鍛錬を続けていく
今でも「あの2球」が、脳裏に焼きついている。苦い記憶が、自然と
久野悠斗の気持ちを奮い立たせる。
「あのときの精神的な状況を振り返ると、打たれるべくして、打たれたと思います。ピンチを抑えたというよりも、何とかしのいでいた形で、結果的に気持ちで攻め切れていませんでした」
昨秋の県大会2回戦。報徳学園高の143キロ左腕・久野と神戸弘陵高の144キロ右腕・時澤健斗との投げ合いに注目が集まった。報徳学園高は1回に先制するが、久野は3回に二番・中田千尋の左越え本塁打で追いつかれ、4回には四番・松本陸弥に左越えの逆転ソロアーチを浴びた。5回にも加点され、7回3失点で降板している。試合は2対3で敗れた。痛恨の2被弾を思い返すたびに、自分のメンタル面のもろさが露呈したと悔やむのだ。
「自信がなかったんだと思います。大会前の調子は上がってきていたほうだったんですけれど・・・
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