今夏の長崎大会は2回戦敗退。春夏を通じて初の甲子園出場を目指したものの、力を出し切ることができなかった。しかしながら、すべてが今後につながる経験。次のステージへ、前を向くだけである。 取材・文=前田泰子 写真=上野弘明 長身右腕はポテンシャルが抜群。今後、伸びる要素はいくらでもある
この夏、もっと投げる姿を見ていたい投手だった。九州文化学園高のエース・
黒木優。183cm84kgと恵まれた体格から投げるストレートは最速147キロ。大きな可能性が詰まった大器は今夏、初登板した海星高との2回戦で敗退している。
昨年までまったく無名だった黒木が頭角を現したのは今春。創成館高との長崎大会2回戦だった。相手校の創成館高は身長195cm左腕・
鴨打瑛二が先発。長身サウスポーを目当てに集まったNPBのスカウトたちは、黒木の投球に「衝撃を受けた」と明かす。しなやかなフォームから投げる直球はキレがあり、自己最速の147キロをマークした。試合は0対5で創成館高に敗退したが、鴨打との投げ合いでプロ注目の左腕を凌駕する速球と潜在能力を見せつけ「高校生としては今年の九州NO.1の素材になり得る」と一躍、プロの注目を集める存在となった。
2年春は新型コロナ禍で大会が中止。夏の地方大会中止を受けた独自大会後、昨秋の大会は2回戦敗退。黒木は2試合とも救援登板した。春は大黒柱として期待されていたが、昨秋の大会後に右ヒジをはく離骨折してしまう。冬の間は投球練習ができず、トレーニングに励んだ。「球のキレを出したいので、球の質を上げるような練習を意識しました」と瞬発系のトレーニングを取り入れ体づくりに専念した。
伸びあるストレートに相手指揮官も高評価
右ヒジの故障が治り・・・
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