東都大学リーグ通算7本塁打。2季連続で3本のアーチを放っており、大学球界屈指の長距離打者に成長した。ラストシーズンは打点にこだわっていくが、その延長線上で、アーチ量産に期待がかかる。 文=矢崎良一 写真提供=駒澤大学野球部、BBM 昨年、コロナ禍の活動自粛期間中に肉体改造に着手し、体重は大台の100kg。パワーあふれる打撃に磨きをかけている
高校通算56本塁打。
堂林翔太(
広島)をはじめ多くの逸材を見てきた中京大中京高時代の恩師・高橋源一郎監督は「飛距離は(同校の)歴代NO.1」と、
鵜飼航丞のポテンシャルを評価していた。
180cmを超す恵まれた体躯。もともとスイングスピードは、ズバ抜けていた。高校2年秋に本格的に始めたトレーニングにより、股関節や肩甲骨の柔軟性が身につき、一冬越した3年春から一気に本塁打が増えた。NPBスカウトも注目し始めたが「まだ、プロに行けるようなレベルじゃない」と、同級生の
伊藤康祐(現
中日)が上のステージを目指す一方で、鵜飼はこの時点ですでに進学を決めていた。いくつかの大学から誘われたが、高校の2学年先輩のエース・上野翔太郎(現・三菱重工East)がいる駒大を選んだ。
だが入学後、壁にぶち当たる。1年春からリーグ戦でベンチ入り。先発で起用されることもあったが、まったく打てない。2年生の春まで3シーズン、公式戦で無安打が続く。
「金属打ちがなかなか直せなくて……。打球は飛ばないし、1年の春だけでバットを10本折りました。でも、自分の苦しさよりも、先輩たちに申し訳なくて。いつも“すみません”と思いながら打席に立ってました」
それでも駒大・大倉孝一監督は「持っているモノが違う。それは、誰だって分かりますよ」と、結果が出なくても起用した。そして・・・
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