国学院大は今春のリーグ戦で、2010年秋以来、2度目となる“戦国東都”の頂点に立った。チーム一丸で春秋連覇を狙う中で、四番が戦線に完全復帰することがポイントとなってくるのは間違いない。 取材・文=佐伯要 
シュアな打撃が武器。左右に打ち分ける柔らかさも兼ね備える[写真=大賀章好]
不運なアクシデントに見舞われたとき、どう対処するか。そこに、その人の本当の姿が映し出される。
8月2日。国学院大の四番を打つ左のスラッガー・
瀬戸成一郎(4年・鳥取城北高)は、シート打撃で右足に死球を受け、負傷した。リーグ戦連覇はもちろん、10月11日のドラフト会議へ向けても、大事なラストシーズンを迎えようとしていた矢先だった。
しかし、瀬戸は「野球をやっていれば、ケガはつきもの。ここからどうするかが大事だ」とすぐに気持ちを切り替えた。
そればかりか、その球を投げた後輩の投手を気遣い「気にするな。それより、リーグ戦でチームに貢献できるようにしっかり準備しろよ」と声を掛けた。
「レベルの高い環境で野球がしたい」と国学院大へ入学した。1年時はその技術の高さを痛感しながらも、練習は「ただこなしていただけ」(瀬戸)。リーグ戦での出場機会は得られなかった。
1年秋を終え、新チーム結成後、当時の四番打者だった2学年上の鎌仲純平(現SUBARU)から、「本気でベンチ入りを目指すのか?」と、覚悟を問われた。
瀬戸は「はい!」とはっきり答えた。その日を境に・・・
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