プロ関係者が熱視線を送る2022年の逸材選手の新連載をスタート。第1回は21年のドラフトでDeNAから1位指名を受けた先輩・小園健太譲りのポテンシャルを持ち合わせる、本格派右腕である。 取材・文=小中翔太 写真=佐藤真一 
21年秋の近畿大会1回戦[対神戸学院大付高]では1失点完投[2対1]。エースとしての自覚と責任が芽生えたマウンドだった
同一高校のバッテリーが同時に1位指名を受ける。2021年のドラフトで小園健太(現DeNA)と
松川虎生(現
ロッテ)は史上初の快挙を成し遂げた。歓喜に沸く市和歌山高の中で、偉大な先輩から背番号1を引き継いだ右腕・
米田天翼の胸中には祝福と同時に、別の思いも渦巻いていた。「指名されたときは自分も22年、同じ立場で迎えたいという気持ちが大きかったです」。同じ立場とはもちろん、1位というドラフト順位も含めてのことだ。
小園が注目選手として取り上げられた際は「152キロ右腕」という表現が用いられてきたが、最大の長所は球速以外にあった。指先の感覚に優れ、同じ球種でも強弱を自在に操り、変化球のキレやテンポの良さなど投手に必要な能力すべての完成度が高かった。そんな世代トップの好投手の背中を、米田はこのように見ていた。
「小園さんはテンポの良さであったり、小さな変化球でゴロを打たせて取るということができていたと思います。そういう部分は見習って、野手を動かしながら投げていたら攻撃にもつながると思うので、そこは意識しています」
2ストライクに追い込んだとき、三振を狙うか、ゴロを打たせるのかの選択は先輩に相通じる嗅覚がある。さらに・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン