高校3年時、ドラフト指名漏れの無念を味わった。日大では2学年上のドラフト候補たちと対等に投げ合い、戦国・東都で大きく成長した。ドラフト1位を狙う右腕だ。 取材・文=小川誠志 写真=菅原淳 
活動拠点の千葉県習志野市内のグラウンドで撮影。充実の表情を見せる
恩師の言葉で前向きに
2021年10月11日、関東一高3年生だった
市川祐は、報道陣の前で緊張しながらドラフト指名を待った。1年夏に甲子園のマウンドを経験。2年秋の東京大会ブロック予選1回戦(対新宿高)ではノーヒットノーランを達成している。3年夏、東京ドームで行われた東東京大会準決勝(対修徳高)では最速152キロをマーク。二松学舎大付高との決勝で敗れ再び甲子園のマウンドを踏むことはできなかったが、高校最後の夏の投球に手応えをつかんでプロ志望届を提出した。
小園健太(
DeNA)、
風間球打(
ソフトバンク)、
森木大智(
阪神)ら自分と同じ高校生の右腕投手が次々に名前を呼ばれていく。夏の東東京大会決勝で投げ合った二松学舎大付高の左腕・
秋山正雲も
ロッテから4位指名された。しかし「市川祐」の名前は呼ばれることなく、全12球団の指名が終わる。悔しさは、今も強く心に残っているという。
「3年の夏に自分としてはいいピッチングができたと思っていて自信もあったので、悔しさはありました。それでも(関東一高の)米澤貴光監督から『これで野球人生が決まったわけじゃない。大学で頑張って、またプロを目指しなさい』という言葉をかけてもらって、もう一度頑張ろうという気持ちになりました」
恩師の言葉で前向きな気持ちを取り戻すことができた。「4年後、もう一度プロへ挑戦したい。そのためにレベルの高い強い大学でやりたい」と考え、東都リーグの名門・日大へ進学。3年間で、東都一部リーグで現役最多の15勝という実績を積み上げてきた。上位候補として・・・
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