NPBの各球団が補強ポイントとして挙げる右の長距離砲だ。パワー十分。将来性が高く、大きな可能性を秘めており、夏の奈良大会でもアピールを続ける。 取材・文・写真=沢井史 潜在的、天性のパワー
ネット裏から見ていても、ライトのポジションに就く
川井陵馳は真っ先に視界に飛び込んでくる。182cm85kgと分厚い体格から鋭いスイングで、高校通算30本塁打。今年の練習試合が解禁したばかりの3月上旬の土日の4試合で5本塁打を量産し、成長の跡を残した。中学時代は170cm台後半の身長はあっても体重が60kg前後で「周りに比べてもガリガリでした」と明かす。橿原学院高・谷車竜矢監督は入学時の川井を回顧する。
「きゃしゃでしたが、前腕の力が強く、潜在的に飛ばす力があって、それは天性のものだと思いました。バットに当たったら飛ばせる技術があったので、そこに期待していこうと思いました」
打倒2強がモチベーション
奈良県香芝市出身。9歳上の兄の影響で野球を始め、幼いころから身体能力は同世代の中でも目立っていた。奈良と言えば智弁学園高、天理高の2強が甲子園の常連だが「智弁と天理を倒して甲子園に行きたい」と、春夏を通じて甲子園出場実績のない橿原学院高へ進んだ。1年秋から右翼手のレギュラーをつかむと、昨夏の宇陀高との奈良大会3回戦では2本塁打を放ち、脚光を浴びるようになった。
だが、同春の県大会はベンチ外だった。その理由を谷車監督はこう明かす。
「思い切りの良さはありましたけど、確実性に関しては物足りなさを感じたんです。元々、自分で進んでトレーニングをやれる選手ですけれど、(メンバーを外してから)意識がさらに変わりました」
もともと感情を表に出さず、何事にも淡々と取り組むタイプ。メンバー外だった直後の夏の奈良大会で・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン