50メートル走6秒2、遠投102メートル。高いポテンシャルを誇るが、主戦となるまでには時間を要す大器晩成型だった。マウンド経験を積むことで、ゲームメーク能力がつき、プロから注目される存在である。 取材・文=沢井史 写真=佐藤真一 
マウンド上での立ち姿には貫録がある
最大の鬼門をクリア
高校生は冬を越えた春、一気に成長することがある。今年の高校生で言うと、
川島謙心がその一人ではないだろうか。
今春の京都府大会決勝で自己最速149キロをマークし、6月の練習試合では151キロを計測した。龍谷大平安高に入学以降、本格的に投手を始め、ベンチ入りが2年秋。背番号は「16」だった。昨秋の近畿大会の橿原学院高との1回戦では二番手で登板し、1回2/3を2安打無失点に抑えているが、当時はそこまで印象深い投球を見せたわけではなかった。
小学1年で野球を始めたときから野手だった。3年生になってから投手も兼任するようになったが、中学時代は主に遊撃手。地元の公立高校へ通うことも考えたが、チームの指導者から「もっと上を目指せる」と勧められたのが京都の名門・龍谷大平安高だった。中学時代は投手としての実績はほとんどなかったが、高校は投手兼野手として入学した。
「ボールは速くてもコントロールは全然良くなかったし、これといった特長はなかったんです。でも、指導者からは自分は身長があるので投手で勝負してみては、とも言われていましたし、自分も投手で頑張りたいというのがありました」
龍谷大平安高入学時の身長は182cmだったが、体重は66kgと体の線が細かった。その上、龍谷大平安高は柔軟性を重視したストレッチなど、何十種類もあるウオーミングアップを練習前にこなすことで知られている。逆立ちやブリッジなどを、難なくこなせるようにならなければならない。川島にとって鬼門だった。
「まずアップを覚えないと練習に入れないので・・・
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