昨季、ロッテはエースの成瀬善久、最多勝2度のグライシンガーらが故障によりチームを離脱する苦しい投手事情だった。それを救ったのが、西野勇士や古谷拓哉に代表されるそれまで一軍実績が少なかった選手の台頭。彼らをブレークへと導いた名伯楽は、今年も手腕を発揮し、伸び悩む投手たちの背中を後押しする。 指導方針の一つは逃げ道を与えてやること
約45年に渡り、選手、指導者として球界に携わってきた小谷正勝コーチ。巨人・内海哲也や山口鉄也、DeNA・三浦大輔など、数々の名投手の才能を引き出してきたその手腕が、昨年のロッテでも発揮された。 昨年、それまで実績のなかった投手たちがパッと一軍で活躍して、それをどう指導したかという話を知りたいんだろう。だけど、全部は言えないからね。みんな言ったら丸裸になっちゃうから(苦笑)。
西野(勇士)にしても、古谷(拓哉)にしても、プロ野球に入ってくる選手はみんな優秀だからドラフトにかかってくる。それがうまいこと成長したか、ちょっと止まったかというだけの話だからね。彼らの場合はうまいことはまったというだけのことだと思うよ。
時期的なものもあるし、プロでの年数もある。人との出会いや運もあるしね。何が良かったか、何が悪かったかは正確には分からないね。

昨年は西野[手前]らのブレークに一役買った。元々の素質はもちろん、長所を見抜く小谷コーチの眼力も大きかった
ただ、僕の教え方の一つとして、考え方が楽になるようなことを言ってあげるのはよくするよ。「抑えろ、抑えろ」と言うよりも、「打たれるのも仕事だよ」と言うのも一つの方法ですよ。抑えられればいいに決まっているけど、あまりそう言うと不安になるから。要するに、逃げ道を与えてやるのも仕事だと思うよ。それは人の性格にもよるけどね。
例えば昨年の大嶺(祐太)はそういうところがはまったのかもしれない。だけど、二軍から上がってまがりなりにも
広島を完封する力はあるんだから(5月19日、QVCマリン)、やっぱりもうちょっとやってほしいよな。ちょっと勝って(二軍に)下りてくるようじゃ困るんだ。
あの子は年間通して先発ローテーションで投げ抜くために、まだ自分が投げる球の中で一番良い球は何かっていうことが分かってないんじゃないかな。相手が一番嫌がる球はなんなのかということがまだできていないように思う。
ピッチングは考え方の問題だから。自分の一番良い球を自覚できれば、当然そのボールを多くほうるようになる。
悩んでいる投手は・・・
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