プロの世界は、結果を残してこそ評価される。結果を残すには試合に出場することが前提だ。試合に出られなければ、素質があっても評価の対象にすらならない。そこを第一に考えれば、ポジションなど関係ない。今季新しい場所での出場機会を求めて汗を流す今成。簡単に未開の地に挑戦したのではない。大きな覚悟、決意を持って臨んでいる。 それは自らが決めた道。覚悟を持って歩み始めた道。視線の先に
今成亮太が見据えるのは、わずかに8つしかないレギュラーというポジションだ。「とにかく出場機会を増やしていきたいという思いでした。チームに求められている、そのチャンスをつかみたい一心です」。悩み、苦しみ、しかし新たな可能性を見つけ、歩みは少しずつ前へ進んでいる。
2013年11月。高知・安芸で行われた秋季キャンプ。来るべき勝負のシーズンへ向けて、今成の新たな挑戦が始まっていた。生涯で初となるサードへのコンバートだ。「難しいですね。ただ、自分のチャンスなので、マイナス思考はないです」。連日、
高代延博内野守備走塁コーチからのノックを受け、指導を仰ぎ、がむしゃらに白球を追い続けた。
現在でも登録は捕手。だが2012年の開幕後、
日本ハムからの交換トレードでタテジマに袖を通して以降は、コンバートという挑戦の連続となった。12年シーズンこそ、捕手として36試合で一軍の試合に出場(代打を合わせて計60試合に出場)。だが、翌13年シーズンは捕手での出場はわずか3試合。その非凡な打撃センスを生かすため、本格的に外野へコンバートされ、
福留孝介の故障離脱もあり、交流戦以降に出場機会を増やす。この年、代打のほかでは一塁で4試合、そして左翼・右翼を合わせた外野手として、計54試合に出場を果たした。
出場機会を増やすため、チャンスを生かすためのコンバート。言葉にするのは簡単だ。だが、捕手への思いに区切りを付け、それを受け入れるには、人知れず葛藤があった。「捕手として試合に出たい気持ちは、当然ありました。(コンバートは)葛藤もあったし、悩んだ時期もあります。野球の楽しさを感じさせてくれたポジションですから」

▲根っから明るく、ポジティブな思考の性格は、チームを盛り上げる存在としても欠かせない
捕手へのこだわりは…
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