週刊ベースボールONLINE

野球浪漫2016

西武・藤原良平、亡き父への思いを胸に…「どんな場面でも、与えられたところを喜んで進んで投げる」

  2

死球を恐れずに腕を振ること


 もう1つ、大きく影響を受けた言葉がある。潮崎哲也二軍監督からの「お前の魅力は何か、もう一度考えろ」である。『イースタン最多勝利投手』の看板を掲げて挑んだ14年は、「充実した年になりました」。不思議なもので、こだわりを捨てた途端、プロ入り初の一軍先発機会も巡ってきた。忘れもしない5月26日の広島戦(三次)。スタンドで両親が見守る中、初球から3球で満塁、4球目で2失点と、今でも記憶に残る内容で初黒星を喫した。それでも、再びもらった6月13日の広島戦(西武ドーム)での先発チャンスでは5回1/3を無失点に抑え、7年目にして待望の先発でのプロ1勝目を挙げることもできた。

2014年6月13日の広島戦[西武ドーム]に先発し、5回1/3を無失点でプロ初勝利をマーク/右は田邊前監督


 また、これまでとは違い、中継ぎでも、試合の勝敗を分ける重要な場面での起用が増え、「戦力として見てもらえると感じることができました」。一方で、先発投手の勝ち星を消すという、中継ぎとして最もダメージが大きく、悔しい経験も味わった。

 20試合、うち先発8試合、2勝6敗3ホールド、防御率4.83。いずれも自身過去最高の成績を残し、一軍レベルでの収穫と課題を見つけ、翌15年は、いよいよ本格的に主力メンバーの一角に名乗りを上げるかと思われた。ところが、最大の課題とされるコントロールの改善を目指した取り組みがハマらず、多少コントロールが良くはなったものの、一方で荒れ球でも三振を奪える豪快さという一番の魅力が影をひそめてしまったのである。投げている自分も、「何か違うな」と、もどかしさを感じていた矢先に問いかけられのが、二軍指揮官からの一言だった・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

この記事はいかがでしたか?

野球浪漫

野球浪漫

苦悩しながらもプロ野球選手としてファンの期待に応え、ひたむきにプレーする選手に焦点を当てた読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング