昨年、主に代打で打率.307をマークしたベテランだが、今年は出番が少ない。しかし、得がたい存在であることは確かだ。それは開幕から一軍に居続けていることが証明している。チームのために。その思いだけで、前だけを見据える。 文=上岡真里江、写真=内田孝治、BBM 試合に出なくてもできる貢献
胸の奥で、向上心と焦燥感がせめぎ合っている。開幕から一軍に帯同しているが、前半戦を終えて出場はわずか9試合で8打数1安打、打率.125。こんなはずではなかった。
昨季は代打の筆頭として重用され、67試合に出場、打率.307と、キャリア初の“3割超え”を達成した。さらなる進化を求め、「代打で長打を打てる」ことを目指し、新しい年を迎えたが、キャンプ、オープン戦を経ても、そして、今もなお、自らが納得いくスイングは見えていない。
その原因として、キャンプ時にヒジを痛め、十分な振り込みができなかったこと、さらに開幕時から打線の状態が良かったため、代打というポジションになかなかチャンスが巡ってこないというチーム事情などが挙げられる。だが、本人は、決してそれを言い訳にはしない。
特に、後者に対して、周囲からも「試合に出ず、練習だけで調子を上げるのは、どうしても難しいのでは」との声も多数聞かれるが、
「僕は、打席数が調子に関係するとは思ってない。練習がすべて。練習でしっかりと打てれば、試合でも打てると思うので。試合に出る、出ないは関係ない」と完全否定。現状のすべては、結果が出た昨季の状態を維持できなかった自らの力不足だと真摯に受け止めている。
その中でも、「そうそう、この感じ」と好調時のイメージにたどり着きそうな兆しが・・・
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