かつてのドラフト1位も6年目。プロの世界でもがき苦しみ、一軍の舞台は遠かった。だが、苦闘の経験をムダにはしない。今度こそチャンスをつかんでみせる 文=前原淳(日刊スポーツ)、写真=BBM わずか2試合の一軍出場
迷わず振り抜かれた白球は、きれいな放物線を描いて天福球場の左翼フェンスを越えた。2月12日、
広島日南一次キャンプ。今年2度目の紅白戦で、二軍から招集された
高橋大樹が起死回生の一発を放った。この日の練習後、
緒方孝市監督は「そりゃ一軍よ。一発回答してくれたんだから」と昇格を明言。一軍の二次キャンプが行われる沖縄行きをつかむとともに、開幕一軍入りへ望みをつなげた。ドラフト1位で指名されてから、今年で入団6年目。悩める大砲が、目覚めのときを迎えようとしている。
大きな期待を背負ってプロ入りした。名門の龍谷大平安高で育ち、甲子園に出場。3年夏が終わった後には大阪桐蔭高の
藤浪晋太郎(
阪神)や光星学院高(現八戸学院光星高)の
田村龍弘(
ロッテ)らとともに第25回AAA世界野球選手権大会を戦う日本代表にも選ばれた。そして秋に広島からドラフト1位で指名され、プロ野球の扉を開いた。
大きな夢を抱き飛び込んだ世界で、いきなり現実を突きつけられた。
「まったくレベルが違った。このままではダメだなと痛感した・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン