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野球浪漫2018

ヤクルト・田代将太郎 常にサバイバル 「あれだけベテランで実績も残した人に『やれ!』と言われたら、頑張らなきゃダメだなと思った」

 

昨オフ、西武から非情の戦力外通告を受けた。ヤクルトから声が掛かり、首の皮一枚でつながったプロ野球人生。もはや失うものなどない。これまで以上にどん欲となった田代将太郎が、スワローズに存在する。
文=菊田康彦(ベースボールライター)、写真=小山真司


予期せぬ知らせ


「バッターは、八番・井野に代わりまして田代。バッター田代、背番号65」──。

 ヤクルトの選手交代を告げるアナウンスがメットライフドームに響き渡ると、スタンドからはヤクルトファン、西武ファンを問わず、大きな拍手が沸き起こった。

「うれしかったです。温かく迎えてもらったと思います」

 6月13日の西武との交流戦で、昨年までの本拠地の打席に入ったときのことを、田代将太郎はそう振り返る。それは8カ月ほど前までは、想像もできない光景だった。

 昨年10月、田代は宮崎の地にいた。初の開幕スタメンに抜てきされながら、プロ6年目のシーズンも思うような成績を残すことはできなかったが、「来年こそはなんとか食らいついていけそうだ」と、手応えを感じていた。

 宮崎で開催されていたみやざきフェニックス・リーグでは、チームでただ一人フル出場。「なぜ僕だけ?」と疑問に思う一方で、これを次のシーズンに向けた期待の表れと受け止めている自分がいた。

 そのフェニックス・リーグも、残すところあとわずかとなった10月28日。朝食を終えていつものアーリーワークに向かおうかと考えていた矢先、携帯電話が鳴った・・・

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