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西武・渡邉勇太朗 順調なKPI「渡邉勇太朗が投げたら絶対チームが勝つというような存在に」

 

今季大きな飛躍が期待される先発右腕だ。昨季は自己最多の7勝を挙げたが、まだまだ勝ち星を伸ばせる余地はある。最大の強みは長いイニングを投げられるところだ。それを生かして、チームの中心として先発陣をけん引していく。
文=氏原英明 写真=毛受亮介


「全部、完投な」


 プロ野球選手のKPI(重要業績評価指標)。

 プロ入りして8年目になる渡邉勇太朗は昨シーズン、キャリアハイの23試合に登板して134イニングを投げた。規定投球回数には届かなかったが、当初の目標は達成した。

「マダックスは運だと思いますけど、ストライク先行で投げられていた結果だと思います。昨季はどの球種も60%以上のストライクを取れていたんです。それはやってきたことの成果が出たと思う」

 2025年9月6日のロッテ戦(ベルーナ)。渡邉は9回を投げ、被安打2の完封勝利を挙げた。プロに入ってから目標の一つにしていた完投勝利を初めて成し遂げた。それも球数は97と100球未満。いわゆるマダックスでの達成だった。ストライク先行ができるようになったから目標を達成できた。自分なりにそう評価ができるのは、渡邉が目標をしっかり立てて、そこに向かうためにすべきことをやってきた証しでもあった。

 渡邉が一軍での完投を一つの目標にするようになったのは23年のことだった。それまでは、そこまでピッチングについて深く考えるような選手ではなかった。漠然としたイメージでなんとなくマウンドに上がり、なんとなくの結果を目指して、なんとなく投げる。

「まったく考えていなかったわけではないですけど、考えが浅かったです。情報がそこまでなかったと言うほうがいいかもしれません」

 きっかけは23年のシーズンが終わってからのフェニックス・リーグでのことだった。現一軍監督の西口文也がファーム監督だったころの、ある一言からだ。

「ユウタロウ、全部、完投な」

 普通に会話するような口調でのファーム指揮官からの命令は渡邉には新鮮だった。当時を回想する。

「無理やりにでも完投させるというような感じだったんですけど、今まで自分の中で長いイニングを投げたいって思っていても・・・

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