プロ入りから11年。数々の歓喜を味わった一方で左腕が歩んできた道のりは、決して平坦なものではなかった。度重なる故障に苦しみながらマウンドに立ち続けてきた背番号47。その歩みを支えたのは、昔も今も変わらない、野球へのひたむきな姿勢だった。 取材・文=菊田康彦 写真=高原由佳、桜井ひとし、松田杏子、BBM ケガに悩まされた11年
「うーん。40点か50点ぐらいじゃないですかね……」 これまでの自身のプロ野球人生に対する、高橋奎二の「自己採点」は実に厳しい。2016年に18歳でヤクルトに入団して、今年で11年目。29歳の現在に至るまで道のりは山あり谷ありだった。
「(21、22年の)リーグ連覇、(21年の)日本シリーズでの完封や日本一、(23年のワールド・ベースボール・クラシックで)初めて日の丸を着けたりとそういうのが11年の中であったっていうのは、すごい良かったなと思います」 一方、入団当初は左肩痛や腰痛などに苦しみ、3年目の18年に初めて一軍のマウンドに上がってからも、たびたび故障に悩まされてきた。
「ほぼほぼケガですね。次の年につながる、成長できるっていうところでのケガが多くて、今まで一度もローテーションを守って(1年間)投げたことがない。そういうところにもどかしさというか、悔しさというか、いろいろな思いはありますね。」 昨オフに就任した
池山隆寛新監督に、
奥川恭伸とともに「投手陣の柱」として名前を挙げられた今シーズンも、下半身のコンディション不良のためにキャンプは二軍で別メニューでのスタート。一軍合流は5月後半までずれ込んだ。
「もちろん開幕を目指していましたけど、なかなかうまくいかなくて。それなら4月の後半ぐらいに(一軍に)行ければっていうことで、やっと制限がなくなったときにまた下半身のコンディションが良くなくなって。(序盤の)ヤクルトは先発が良かったので『上がる場所がない』っていう焦りしかなかったです」 今季の一軍初登板は、順調な滑り出しを見せたチームが首位で迎えた5月19日の
巨人戦(いわき)。一番の
平山功太に先頭打者本塁打を浴びるなど初回から2点を失うと、その後は5回まで無失点に抑えるも敗戦投手になった。
「久しぶりに緊張しました。チームの勢いをつぶしたらあかんなとか、そういうのをいろいろ考えながら行ってしまって。先頭にホームランを打たれて次の打者にフォアボールを出しましたけど、吹っ切れてそこから粘り強く投げられたのは、自分の中では良かったかなと思います」 6月3日の
ロッテ戦(神宮)、7回無失点で今季3試合目の先発にして初勝利。7月10日の
阪神戦(甲子園)では7回1失点、無四死球、10奪三振の好投で2勝目を挙げたが、その後は思うようなピッチングができていない。
「やっぱ練習ですね。やれるところまで練習するしかないですよ。まだ足りてないと思うから・・・
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