社会人No.1捕手の触れ込みに、嘘偽りはなかった。近未来の正捕手にと期待され、一軍キャンプ抜擢は〝お手並み拝見〟の意味合いが強かったが、小林誠司の能力は日を追うごとに首脳陣を虜にしていった。実戦でこそ光る、たくましいルーキーである。 取材・構成=坂本 匠 写真=荒川ユウジ、黒崎雅久、小山真司 実戦向きのプレーヤー ──デビューは3月28日の
阪神との開幕戦(東京ドーム)、9回表の守備からでした。8回裏の攻撃で
阿部慎之助選手に代走が送られたことによる交代でしたが、リードを守るシーン(12対4)で、とても落ち着いたプレーぶりが印象的でした。
小林 まさか開幕戦で出られるとは思っていなかったですし、独特の、すごい緊張感がありましたが、とにかくやるべきことをやろうと。それだけに集中していました。
──マスクをかぶってのプロ初勝利の瞬間は?
小林 あんなに幸せなことはなかったですね。
──開幕戦と同様に、ここまで阿部選手の後を受け、守備(代走→守備、代打→守備を含む)からの登場で、出場機会を増やしています。が、それゆえの難しさもあると思います。
小林 そうですね。守備からの途中出場の経験が(アマチュア時代には)ほとんどなかったので、どう入っていくべきか、難しさを感じています。でも、難しいのは確かですが、まず1年目から使っていただけることに感謝したいですし、チームの力になりたい気持ちが強いので、任されたイニングは全力で、マウンドにいるピッチャーに対しては投げやすいように、一番良い部分を引き出せるように、考えながらプレーしています。とても良い経験をさせていただいていますし、その中で、今日よりも明日、明日よりも明後日、と成長していきたいです。
──負ければ終わりの一発勝負の社会人野球から、144試合と長丁場のプロ野球へ。キャッチャー目線で考える、ペナントレースを戦う上での大切なことは何でしょう。
小林 たくさんあると思いますが・・・
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