
今年は一軍で出場するために左投手対策を実践している
左対左で結果を残す ──課題は技術よりも精神面ですね。
谷口 技術は年齢が上がるにつれ限界が来る。だから、向かっていく気持ち、自分がしっかり気持ちを強く持つことが大事だと思います。それだけで結果は変わるはずです。打席に立つ前にダメだと思えば、ダメです。行けるんじゃないかと思うだけで、可能性は広がりますから。
── 一軍で出場するための課題に、今年は対左投手対策を挙げています。
谷口 今の一軍では、右投手のときは左打者、左投手のときは右打者の外野手がスタメンで出る傾向があります。ファームで今季は対左投手の打率が.333(6月26日時点。過去3年は2割台前半)とよく打てています。去年は2割ちょっとでした。そこはファームの打撃コーチと考えたり、稲葉(篤紀)さんに話を聞くなどして、気持ちの持ち方、構え、備えの引き出しが増えたおかげだと思います。
──左投手を打つために心掛けていることは?
谷口 左対左で投手の生命線は外の真っすぐや変化球になります。真っすぐばかりだとタイミングが合ってくるので、変化球も来ると予想できる。その中に絶対失投が出てくるんですよ。特にファームだと甘い球が多い。一軍に上がったときは甘い球はあっても1球だったりします。その中で相手の中継ぎ、ワンポイントのピッチャーをいかに集中して打てるか。簡単にアウトになるのではなく、たとえヒットを打たなくても、いかに自分が塁に出られるかも重要になってきます。自分が出ることで、次に大きいのを打てる打者が続けば、相手は嫌がるじゃないですか。そういう部分をよく考えるようにしてます。
──盗塁にも積極的にチャレンジしています。スピード、走塁面も持ち味ですね。
谷口 常に先の塁を狙う姿勢を大事にしています。シングルヒットでも相手がミスをしたらいつでも二塁に行けるように準備する。自分だけではなくチーム全体として、全力疾走は課題です。やらされているのではなく、一生懸命走れば次の塁が取れるという欲を出して、どんどん走っていきたいです。
小さいころからテレビで見ていても、「ちゃんと走ればセーフなのに」と感じることがよくありました。野球選手として見逃せない点だと思うんですよね。それに、たとえ足が遅くても、野手が焦ったり、送球がそれることもあるので、一生懸命走れば、何かが起こるかもしれないじゃないですか。

子どものころからテレビで野球中継を見て「全力で走ればセーフなのに」と感じていた思いをプロになって自ら実践
──外野守備に関して取り組んでいることはありますか。
谷口 外野手は守備範囲の広さ、強い肩、正確な送球が求められる。でも、一軍に行くと打てないと使ってもらえない。自分が目指すのは打って、守って、走れる選手ですね。ファイターズの野球は守りの中からリズムを作る。ピッチャーが打ち取った打球は簡単に処理しないといけない。「打たれた」と思った打球に関しても、良い反応、判断で、いかにピッチャーを助けられるか。大事なところでファインプレーをするのは難しいですが、自分のできることをする。そのために練習しているわけですから。
練習中は投手も球拾いをしてくれるんですが、よく見ているんですよ。「今の捕れただろ?」と冗談半分で言われたりしますからね。観客だけでなく、ピッチャーやスタッフなどに見られています。いろんな人の生活が懸かっているので、1球、1球を疎かにできないです。それは1年目から周りに教わったことですね。

守備範囲の広さ、肩の強さでもアピールする
──具体的に、こんな選手になりたいというイメージはありますか。
谷口 魅力があるのは
オリックスに移籍した糸井(嘉男)さんです。打って、走って、守れて、投げられる。目標であり、超えてみたい選手です。野球に取り組む姿勢も貪欲なんです。1、2年目に一緒にプレーしたんですが、何でも吸収しようという思いを強く感じました。そういう選手は周りから頼られるし、チームの中心になりますからね。
──今は一軍で結果を残すための準備はできていますか。
谷口 はい。「やらなきゃ、やらなきゃ」ではなく、ダメなときもある程度割り切って切り替えることも大事なんだなと感じました。それが今年一軍を経験して学んだことです。これを生かさないとプロ野球選手とは言えない。いくら4年目でまだ若いと言っても、そうチャンスはないし、自分より若い選手が上で固定されるのは、悔しくて悲しい。そういう思いが強いので、負けてられません。
PROFILE たにぐち・ゆうや●1992年6月1日生まれ。三重県出身。182cm87kg。右投左打。愛工大名電高では三塁、遊撃、中堅などを守り、3年夏は投手として登板もした。甲子園出場はないが、愛知県大会からプロのスカウトに注目され、2011年にドラフト5位で日本ハム入団。12年シーズンの終盤に一軍デビューを果たした。今季成績は15試合、34打数8安打0本塁打、打率.235(7月2日現在)。