7試合登板で防御率4.75、被安打50、28奪三振、48与四球。どれも取り立てて秀でた数字ではない。それでも井納翔一はリーグ2位タイの5勝を挙げ、低迷するDeNAのけん引役となっている。昨季は一、二軍を行き来するシーズンを過ごしていたが、今季の躍進にはどのようなきっかけがあったのか……。“勝てる投手”の秘訣にせまる。(成績は5月12日現在) 取材・構成=佐野知香 写真=井田新輔、BBM オフの経験が今季に影響 ─5月9日の
ヤクルト戦(横浜)で早くも昨季と並ぶ5勝(2敗)。昨季との違いはありますか。
井納 去年の始めは何も分からない状態で、捕手が誰でもただ投げるだけでした。ただ、6月に登録抹消になり、8月末に再度一軍に昇格するときに「これが今年一軍で投げるラストチャンスだ」と思って、しっかり自分で考えて投球するようになりました。昨年オフには鶴岡さん(一成)が
阪神に移籍し、一層考えなきゃいけないなと思って今季は臨んでいますね。

▲5月9日のヤクルト戦(横浜)は調子が悪いながらも野手の援護もあり5勝目。昨年の勝利数に並んだ(写真=大賀章好)
─考える投球として具体的に取り組んでいることは。
井納 試合前日までにこれまで対戦したビデオを見て、相手打者一人ひとりの弱点や、自分がどう抑えてきたかということを自分なりに研究しています。何回も対戦する相手なので、このときはこの球種が多かったから次はこれを使おうとかも考えていますね。特に
広島と3回目の対戦になった5月3日の試合(マツダ広島)はそれができたかなと思います。
─今季は正捕手がおらず、これまで3人の捕手(
黒羽根利規、髙城俊人、
西森将司)と組んでいますが、毎回組む捕手が違うとなると、より綿密な話し合いが必要ですね。
井納 そうですね。特に配球面では、去年よりもはるかにカーブが使えるようになったり、ツーシームも見せ球程度ですが投げるようになったので、そういったことは伝えるようにしています。
─カーブは今春のキャンプで
杉下茂さんからアドバイスをもらったそうですね。
井納 カーブというよりは・・・
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