11月12日から、8年ぶりに日米野球が開催されます。日本のメジャーリーグファンの方も、アメリカチームのメンバーが気になるのではないでしょうか。そこで今回は私が注目するアメリカチームの選手についてご紹介したいと思います。
野手
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サルバドール・ペレス(捕) 今季成績:150試合 打率.260 17本塁打 OPS.692 盗塁阻止率30.5% 24歳・ロイヤルズ・2013WBCベネズエラ代表 四球は少ないが、通算得点圏打率.307と勝負強い打撃が魅力。24歳ながらゴールデングラブ賞を獲得し、守備も強肩でリードの評価も高く25歳以下ではメジャーNo.1捕手です。
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カルロス・サンタナ(一、捕、三) 今季成績:152試合 打率.231 27本塁打 OPS.792 28歳・インディアンス・2013WBCドミニカ代表 通算四球率15.6%の抜群の選球眼と長打力が持ち味で、特に左投手に通算OPS.857と強い。もともと捕手だがWBCブラジル代表捕手ヤン・ゴームスの台頭で今季は主に一塁手&DHとして出場。そのパワーに注目してほしい。
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ジャスティン・モーノー(一) 今季成績:135試合 打率.319 17本塁打 OPS.860 33歳・ロッキーズ・2006~13WBCカナダ代表 2008年にツインズでシーズンMVPを獲得した、カナダ最高打者の一人。2010年に脳震盪を起こしてからは後遺症により低迷したが、今季ロッキーズでは首位打者を獲得し復活しました。ロッキーズの本拠地は打者有利の球場として有名ですが、アウェイでも打率.309、OPS.839と結果を残しています。
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ロビンソン・カノー(二) 今季成績:140試合 打率.314 14本塁打 OPS.836 10盗塁 31歳・マリナーズ・2009~13WBCドミニカ代表 現メジャー最高の二塁手。13年オフにヤンキースからマリナーズへ10年240億で電撃移籍。昨年まで5年連続3割・25本を記録し、コンパクトで振り出しがスムーズなスウィングも魅力のひとつ。守備もハンドリングの良さとダブルプレーの早さはメジャートップレベルです。今大会最注目選手です。
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ホセ・アルトゥーベ(二) 今季成績:158試合 打率.341 7本塁打 OPS.830 56盗塁 24歳・アストロズ・ベネズエラ人 身長165cm(公称)ながら、今季首位打者・最多安打・盗塁王を獲得。積極打法で安打と盗塁を量産する全盛期
イチローのようなスタイル。ただ、守備はメジャーの二塁手としては平均以下。過去にはダルビッシュから1試合2ホームランを記録したこともあります。
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エバン・ロンゴリア(三) 今季成績:162試合 打率.253 22本塁打 OPS.724 29歳・レイズ・2013WBCアメリカ代表 レイズのスター選手でメジャーを代表する三塁手の一人。長打力・選球眼・守備力だけでなく盗塁成功率も高い。故障が多いのが欠点だったが、今年は全試合に出場しました。
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アルシデス・エスコバル(遊) 今季成績:162試合 打率.285 3本塁打 OPS.694 31盗塁 27歳・ロイヤルズ・ベネズエラ人 ロイヤルズでは
青木宣親と1・2番を組み、通算盗塁成功率83%を誇る。俊足遊撃守備でも強肩と広い守備範囲を兼ね備えています。
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エリック・アイバー(遊) 今季成績:156試合 打率.278 7本塁打 OPS.700 16盗塁 30歳・エンゼルス・2013WBCドミニカ代表 パワーには欠けるが、早打ちで四球が少なく俊足でバントやエンドランが上手い「スモールベースボール」選手。スローイングの強さはメジャー平均以上だが、昨年ハムストリングを痛めてから内野安打も減り、守備にはやや衰えが見えます。
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ベン・ゾブリスト(二、右、遊、左、中) 今季成績:146試合 打率.272 10本塁打 OPS.749 10盗塁 33歳・レイズ・2013WBCアメリカ代表 メジャー最高のユーティリティ選手。パワーと器用さを併せ持つスイッチヒッターで、2009年以降、複数ポジションを守りながら二桁本塁打・二桁盗塁を記録しています。選球眼がよく、二塁・右翼・左翼での守備が特に優秀。
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ブライス・ハーパー(左) 今季成績:100試合 打率.273 13本塁打 OPS.768 22歳・ナショナルズ・アメリカ人 19歳でメジャー入りし「野球界のレブロン・ジェームズ」と称される次代のスーパースター候補。ビッグマウスなことから「ネクスト・バリー・ボンズ(Aロッド)」と呼ばれることも。全力プレーと長打力、メジャー最高級の強肩が持ち味。高校時代は捕手として活躍しており、投手としても最速154キロを記録した事もあります。若干故障がちで、今年も故障で規定打席に足りませんでした。
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アダム・ジョーンズ(中) 今季成績:159試合 打率.281 29本塁打 OPS.780 29歳・オリオールズ・2013WBCアメリカ代表 選球眼に欠けるフリースインガーだが、例年30本塁打前後の長打力を誇ります。守備では後ろ向きキャッチやホームランキャッチ等の美技を見せ、強肩も備えています。たが、早打ちで四球が少なく、ワンバンドのボールにも手を出すのが欠点。オリオールズ時代の上原と仲が良かった選手です。
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ヤシエル・プイグ(右、中) 今季成績:148試合 打率.296 16本塁打 OPS.863 11盗塁 23歳・ドジャース・キューバ出身 2012年に亡命し、昨年いきなりブレイクしたキューバの怪物。走攻守に優れ、「超」積極的なプレーを見せるが、走塁や守備での判断ミスも非常に多い。現在メジャー最高級の強肩を持っており、その肩に注目してください。シーズン中にトラブルを防ぐため、球団はセキュリティスタッフを付けていました。今回日本にもセキュリティをつけて来日するので�
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投手
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和田毅(先発左腕) 今季成績:13先発 4勝4敗 防御率3.25 33歳・カブス・日本人 2012年にトミー・ジョン手術を受け、今季後半からメジャーに定着しました。ストレートは日本時代と比べて球速が5キロほどアップ。日本最終年の2011年にはストレート空振り率が驚異の11.78%を記録しています。(※今季NPBストレート空振り率1位は
大谷翔平の9.44%)
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ジェレミー・ガスリー(先発右腕) 今季成績:32先発 13勝11敗 防御率4.13 35歳・ロイヤルズ・2009WBCアメリカ代表(日系アメリカ人) 13年には15勝12敗の成績を残し、200投球回数を超えました。平均球速147キロほどで、空振りを取れるが変化球は少なく、先発4~5番手クラスの実力と言えます。ロイヤルズのリーダー格で、MLB選手会理事も務めている。プロ入り前はスペインで2年間モルモン教の布教活動に勤しみ、プロ入り後も社会奉仕活動やヨーロッパの野球普及等に熱心に取り組んでいました。
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クリス・カプアーノ(先発左腕) 今季成績:12先発 2勝3敗 防御率4.25(先発での成績) 36歳・ヤンキース・イタリア系アメリカ人 2005年にブリュワーズで18勝、2006年にオールスター選出の経歴を持つ左腕ですが、以降は研究され低迷しました。平均球速140キロ前半と球威はありませんが、チェンジアップとの緩急で打ち取るスタイル。コーナーを突く投球のため四球がやや多いです。牽制の上手さはメジャートップレベル。
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ランディ・チョート(中継左腕・左のワンポイント) 今季成績:61試合 2勝2敗 防御率4.50 39歳・カーディナルス・アメリカ人 平均球速130キロ後半のツーシームとスライダーで投球を組み立てるスタイル。対左打者の通算被打率.188の「対左スペシャリスト」。ランナーがいる場面での登板が多く、左打者から1死を取るためだけに登板することも。今回もワンポイント登板の機会が多く見られるかもしれません。
以上の選手が今回私が注目をしている選手です。久々の日米野球ですが、日本のメジャーリーグファンの為にも素晴らしいプレーを期待しています。