巨人の原辰徳監督はCSのファイナルステージに敗退すると、10月19日に「ここ3年ほどチーム力は落ちている。新しいリーダー、監督に託す方が正しい選択だと思う」と語って辞任を表明して了承された。12年間の監督在任中に7度優勝。日本シリーズ制覇も3度と輝く歴史を築いた指揮官でも、常勝を義務づけられている巨人では身を退かなくてはならなかった。厳しい巨人の監督の座と、現在の巨人の最大の問題点に迫ってみたい 
今シーズン限りで辞任した原辰徳監督。常勝を求められるチームで歴史に名を刻む好成績を残した
チーム歴代監督第3位の947勝の戦績
原辰徳は巨人史上延べ15人目の監督である。ただ、
藤田元司、
長嶋茂雄、原は一旦辞任後に復帰しているので原は12人目になる。
この12人に共通するのは球団誕生1年目の36年就任の藤本定義が当然ながら東京鉄道管理局出身であるのを除くと、全員が生え抜きの選手であること。監督辞任後に他球団のユニフォームを着たのも46年前半まで巨人の監督を務めた
藤本英雄が47年に
中日で投げた例しかない。その藤本も48年には巨人に復帰している。
12人の巨人監督経験者のうち、最も多く采配を振るったのは長嶋茂雄の1982試合、2位は
川上哲治の1866試合、3位が原辰徳の1715試合。連続シーズンでも川上の14年(61~74年)、
水原茂の11年(50~60年)に次ぐ原の10年(06~15年)である。
勝利数は川上の1066勝、長嶋の1034勝に次ぐ947勝で歴代第3位。日本シリーズで18勝は44勝で歴代1位の川上、21勝の水原に次ぐ3位。優勝回数は7度で藤本定義と並ぶ3位タイである(カッコ内は日本シリーズの優勝回数)。
▼川上哲治11回(11)
▼水原茂8回(4)
▼藤本定義7回(-)
▼原辰徳7回(3)
日本シリーズには5度出場し、3度優勝。3度以上の監督はこれまでのプロ野球の歴史においても9人しかいない。シリーズ18勝以上は7人いるが、勝率では川上の.710(44勝18敗)、
三原脩(西鉄、大洋=19勝9敗1分け)に次ぐ原の18勝12敗.600は、
上田利治(阪急・
オリックス=18勝12敗2分け)と並ぶ3位タイである。
原監督は07~09年、12~14年と3連覇を2度しているが、3シーズン以上の連覇を2度達成しているのは4人しかおらず、原が4人目だ(括弧内は連覇数)。
▼水原茂(巨人)=51~53年(3)、55~59年(5)
▼
鶴岡一人(南海)=51~53年(3)、64~66年(3)
▼
森祇晶(
西武)=86~88年(3)、90~94年(5)
▼原辰徳(巨人)=07~09年(3)、12~14年(3)
現状の大きな課題は低迷する打線の立て直し
「ここ3年ほどチーム力は落ちている」という原監督の回顧を如実に証明しているのは・・・
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