2016年は打者の日本人メジャー・リーガーは1人も規定打席に届かなかった。01年にイチローと新庄剛志が打者として初めてメジャーに登場してから、レギュラーの目安である規定打席に達した日本人打者がゼロなのは初めてのことである。しかし、前年打率.229と振るわなかったイチローが.291と復調したのは期待を抱かせる。イチローはいまや、日本人という枠を外してメジャー現役全体の中でも最高の地位にいる存在なのを認識しなければならない。 
青木宣親も今シーズンはマイナー落ちするなど苦闘の1年。2017年は巻き返しなるか/写真=GettyImages
日本人打者はわずかに3人だけ
今シーズン、打者としてメジャーに登場した日本人はマーリンズのイチローのほか、マリナーズの青木宣親、カブスの
川崎宗則の3人である。イチローは143試合に登場し、327打数95安打(本塁打1)で.291、青木は118試合に417打数118安打(本塁打4)で.283。川崎は世界一になったカブスに所属していたが、メジャーではわずか14試合の21打数7安打で.333であった。
青木はシーズン途中にAAA級のタコマに落とされて24試合にプレーした。川崎はシーズンの大半はAAA級のアイオワにあって、102試合に出場して314打数80安打(本塁打1)で.255であった。ワールド・シリーズにはベンチ入りしていたが、試合に出場する資格はなかった。
10人近くの日本人打者がプレーしていた時期に比べて日本人の影が薄くなっている。07年には7人がメジャーでプレーし、4人は規定打席に到達するレギュラーであった。
この年、イチロー(マリナーズ)は161試合で678打数238安打、.351で6ホーマー、
松井秀喜(ヤンキース)は143試合に547打数156安打で.285の25ホーマー、
岩村明憲(デビルレイズ)は123試合に491打数140安打の.285で7ホーマー。さらに
城島健司(マリナーズ)も135試合485打数139安打、.287の14ホーマーで、ここまでの4人は規定打席に達していた。
井口資仁はシーズン中にア・リーグのホワイトソックスからナ・リーグのフィリーズに移籍したので規定打席に届かなかったが、135試合に出場して.267で9ホーマーを打っていたし、
松井稼頭央(ロッキーズ)も104試合で.288の4ホーマー、
田口壮(カージナルス)も130試合で.290の3ホーマーだった。7人のトータルは931試合、打率.297で68ホーマーだから、控え選手でも相応の働きはしていた。
それが最近はメジャーを目指しても、まったく記録を残せない選手がいてはメジャーの球団からも愛想をつかされてしまう・・・
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