巨人の菅野智之は5月9日の阪神戦[東京ドーム]で1回にいきなり2点を失い、52年ぶりの4試合連続完封勝利はならなかった。それでも完封どころか巨人では完投すら菅野以外は実現していないだけに、その難しい完投を完封で3度も実現しているのだから、4勝1敗以上に高く評価しなければならない。菅野の3連続完封をあらためて振り返ってみたい。(記録は5月9日現在) 
巨人の絶対的なエースとして君臨する菅野。今シーズンは過去最高の成績を残しそうな期待感がある
菅野以外は完封どころか完投すらゼロの巨人
いまや完投という言葉がプロ野球では「死語」になろうとしているのか。32試合を消化した巨人は今シーズン、先発投手を延べ32人起用しているが、菅野智之の3完封のほかは完投した投手すらいない。
菅野以外では
マイコラスが6試合、
内海哲也、
大竹寛、
田口麗斗が各5試合、
宮國椋丞、
吉川光夫が2試合、
高木勇人が1試合に先発して完投はゼロである。大差がついた試合で、先発投手を完投させずに救援に任せるのが常識となっているが、そんなチームにあっても菅野は最後までマウンドを守ってきた。

今シーズンの開幕投手を務めたマイコラスも完封はおろか、完投すらもゼロ。それだけに菅野の存在がより際立つ
1回と3回に2点ずつ奪われた5月9日の阪神戦でも菅野は早々にマウンドを退こうとはしなかった。4回以降は三塁を踏ませずに7回を投げ切り、7回裏に打順が回るとそのまま打席に立った。7回表を終わって阪神が4対1の試合を菅野は「こんな展開にしたのは自分なので責任を持って1イニングでも多く投げないと、8回は中軸に回る。中継ぎの投手に中心打者を任せたらいけないと思って、こだわって投げました」と語っていたのが、翌日の報知新聞に紹介されていた。
今シーズンは自己初の10完投、同初の200イニングを目標に掲げる菅野は、結果よりもその過程を重視する投手なのである。プロ5年目になる菅野のこれまでの歩みをここで振り返ってみたい。
13年に巨人入りしたときの菅野は27試合に登板し13勝6敗。完投は6月15日の
ソフトバンク戦1試合しかない投手であった。その菅野が翌14年には3完投したが、この3完投はリーグ最多である。
15年に6完投するが、これは
藤浪晋太郎(阪神)の7完投に次ぐリーグ2位。16年は5完投で1位であり、17年も6試合に先発して3完投はもちろん1位。先発すれば最後まで投げ切るのが菅野なのである。
通算5年間で18完投しているのだが、これは13年以降に入団した投手では・・・
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