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岡田彰布コラム

岡田彰布コラム「入国制限で新助っ人の合流が遅れそうや。キャンプもスケジュールどおりにいくか…心配は尽きないわ」

 

緊急事態宣言で外国人の来日やビザの発給が遅れ、来日が遅くなると言われ出した。阪神ロハス・ジュニアアルカンタラ[写真]と期待の新助っ人がいるだけに、もどかしいよな[写真=Getty Images]


12球団平等条件に規制や制約も掛かるはず


 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。東京都を中心とした首都圏、そして大阪府。オレが住む兵庫県でも増加の一途を辿っている。年が明けてからは、ホンマ、静かに過ごしている。新型コロナ対策としては、これしかできない。密にならず、マスクをして、手洗い、うがいをこまめに。ゴルフに行ったが、話をすることもなく、プレーが終われば、サッサと帰る。とにかく我慢するしかない今……。プロ野球の現役プレーヤーもきっと耐える日々を送っているに違いない。

 それでも新型コロナは人を選ばない。これがつらいし、悲しいわ。阪神・岩田(岩田稔)が感染という知らせが届いた。昨年3月、阪神で集団感染があり、9月にも同様のケースがあった。そして新しい年になっても、阪神に新型コロナ禍が襲ってきた。コロナは人を選ばない。岩田は気を付けて過ごしていたはず。それでも感染するのだ。大相撲の横綱、白鵬も新型コロナ禍に見舞われた。自粛し、十分に配慮していたにもかかわらず、コロナは容赦ない。タチの悪いウイルスがホンマ憎い……。

 でも時間だけは正確に時を刻む。あと半月すれば2月。プロ野球は新たなスタートラインにつく。2月1日からのスプリング・キャンプだが、果たしてスケジュールどおりに進むのか。これが心配でならない。首都圏に緊急事態宣言が発令された。期間は2月にも入り込む。そこにいろいろな規制、制約が生まれる。キャンプ地である宮崎にも独自の緊急事態宣言が発令されるとか。在京球団は本当にキャンプをスタートできるのか。少なくとも12球団は条件的に平等な環境に置かなければならない。そういう意味では、在阪、そして地方のチームにも影響が及ぶことも考えられる。それを思うとゾッとする。

 先日、デイリースポーツとキャンプ日程の話し合いがあった。そこでキャンプ取材のスケジュールが決まった。阪神の沖縄キャンプの取材は第2クールから。しっかり準備はしておく。ただスケジュールどおりに行けるのか。心配は尽きないわ。

 テレビ局、新聞社、そしてファンの皆さんも混乱する事態だ。現場の監督、首脳陣の不安は想像を超える。キャンプはそれほど重要な期間なのか……といった声も聞く。監督経験者として、ハッキリと言えるのは、キャンプはチーム構想を立てる意味で、ホンマに大事な1カ月、ということなんです。

新外国人の来日遅れも見越した対策が必要よ


 1月中、選手はそれぞれに調整し、2月のキャンプに備える。昔に比べ、今の球界は動きが早くなっている。第2クールから紅白戦などの実戦に突入する。それに即応できる調整が当たり前になり、そこで監督は多岐にわたってチェックする。現有戦力の底上げは? 新人選手の能力は? 新外国人選手のナマの実力は? 分析するところはいっぱいある。それを解析して、このシーズンはこの形で進めていく……というチームとしての方針が確立されるのだ。

 ところが今年の緊急事態宣言。またまた難問が発生するかもしれない。新規外国人の入国が制限される可能性も出てきて、阪神球団の上層部は2月中の合流は困難かも、という見解を示した、というのである。タイガースの場合、これに当てはまるのはロハス・ジュニアとアルカンタラなのだが、この2人、今シーズンのチームの運命を左右する存在であるのは確かなんよ。

 監督として、キャンプ時には特に新外国人とルーキーを見極めるのに、多くの時間を費やす。ルーキーの場合、プロのスピードやパワーについていけるかどうか。新外国人の場合は日本野球への順応性があるのかどうか。これをじっくりと見極めたい。それには時間が必要になるし、できるなら2月1日に合流することが望ましい。

 それができない可能性が出てきた。実に悩ましい事態と言える。特にロハス・ジュニアの場合、好待遇で争奪戦を制したわけだ。期待感は高く、クリーンアップを任せる人材と、矢野(矢野燿大)監督も計算しているはず。それをより明確にするためのキャンプになるはずなのに、それが不可能となれば、チーム構想を根底から見直さなければならぬケースだってあり得る。

 キャンプは自主トレとはまったく違う。2月1日、全員がそろって、初めてチームとして動き始める。モチベーションの違いというのか、これがプロ野球の形なのだ。それが新型コロナ禍によって、キャンプは大きく様変わりするかもしれない。ファンの見学も人数制限されることが決まった。そして選手も外出自粛を迫られる。1カ月間、宿舎とキャンプ地の往復となり、ホテルに缶詰めということになれば、必然、ストレスがたまる。でも、これが今、求められることなのだ。このギリギリの状況に対処できるチームこそが、未来をつかむことになるのだろう。

 先に書いた新外国人選手の合流問題だが、タイガースは今シーズンも外国人8人枠でスタートする。どんな状況になっても、対応できる態勢にはある。苦しい中でも、困難を克服できる対処法が阪神には存在する、とオレは見ている。

 オレも経験したことのない状況下で、プロ野球は進んでいく。終息を祈りつつ、すべての球団は、逆境に打ち勝ってほしい。プロ野球があるべき姿で、着実に前進していくのを願うしかない。(デイリースポーツ評論家)

PROFILE
岡田彰布/おかだ・あきのぶ●1957年11月25日生まれ。大阪府出身。北陽高では1年夏の甲子園に出場し、早大では東京六大学リーグ歴代1位の打率(.379)と打点(81)をマーク。80年ドラフト1位で阪神に入団。1年目からレギュラーとして新人王を獲得。21年ぶりのリーグ優勝、日本一を達成した85年は五番打者としてベストナイン、ゴールデングラブ賞。94年にオリックスへ移籍し、95年限りで現役引退。通算1639試合、打率.277、247本塁打、836打点。オリックスで2年間指導の後、98年に阪神復帰。二軍監督などを経て、04年から08年まで監督を務め、05年はリーグ優勝に導いた。09年から12年はオリックスの監督として指揮を執り、13年からは野球解説者として精力的に活動している。
岡田彰布のそらそうよ

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選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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